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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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真ん中がぼやける病気

眼科2008/08/13

 視線の真ん中がぼやけてくる病気にはどんな病気があるのでしょうか。

 働き盛りでストレスの多い中年男性に多いと言われるのが中心性漿液性網脈絡膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいもうみゃくらくまくしょう)です。視力低下は軽度で近くを見た時に特に文字が内側にゆがんで見えるのが特徴です。網膜の中心部である黄斑部(おうはんぶ)が薄くなってくるというのが黄斑円孔(おうはんえんこう)と言う病気で、中心部がゆがんだり暗く感じます。

 高齢者に多いのが、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)です。中心部が強くゆがんできて視力も著しく低下してしまいます。

 最近レーザーを使った治療が出来るようになりましたが、早期発見が重要です。

 家庭では片目ずつ窓などの桟(さん)を見てゆがみがあるかを調べてみると簡単に検査が出来ます。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(  「」掲載)

MR(麻疹・風疹[はしか・ふうしん])ワクチン

小児科2008/08/13

 来年の4月から、MRワクチンの2回接種が始まります。1回目は生後12~24ヵ月に。2回目は小学校に上がる前の1年間(年長さんに)に行うことになります。

 この変更には、1回目にMRワクチン接種をしていないお子さんは2回目は打てないという取り決めと、麻疹あるいは風疹のワクチンを打ってしまっているお子さんに対しては、来年の4月以降にそれらの単独接種ができなくなり、MRワクチンの追加接種も、公費ではできないという取り決めが追加されました。

 現在1歳を越えて、麻疹あるいは風疹の両方あるいは片方を打っていないお子さんは、早急にワクチンを受けてください。

 1歳の誕生日が来年の4月以前で近いお子さんは、主治医の先生とよく相談して、単独でするかMRワクチンでするかのどちらかを選択してください。

 詳しくは、各市町の予防接種担当係にお聞きください。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝(  「」掲載)

iLASIKって聞いたことありますか?

眼科2011/02/28

【長池】
 私は、眼科医として数々の手術(レーシック)を行い診察してきました。
自分自身も近視で小学生の頃から眼鏡をかけ始め、高校生位にはコンタクトレンズになり数年前まで装用しておりました。
しかし長時間の装用、アレルギー性結膜炎やドライアイの症状が酷くなり装用するのが辛くなってきたことからレーシックを受ける決意をしました。 実際に手術を受けて感じた事は、手術時の麻酔は点眼のみですが、普段説明している通り痛くありませんでした。
時間も思っていた以上に短時間で終わったという感想です。
ただ、終わって数時間は違和感があり涙が出て、目を開けているのが少し辛く感じますが夜になる頃には、徐々に視力も上がり違和感もなくなってきました。
翌朝、起きてみると眼鏡なしで時計の針や数字がハッキリ見え、ぼんやりしていたいつもの世界から抜け出せた喜びで、とても感動したのを覚えております。 その他には夜の電灯や車のライトは数ヶ月間、滲(にじ)んで見えていましたが、気が付くとその症状もおさまっており、現在はくっきり見えております。
私の視力は、0.09から1.5に上がり、4年経った今もキープしております。 当然、個人差もあり全ての人が同じ経過になる訳ではありませんが、私の視力の改善はもちろん、自身の体験により患者様の目線で治療についての相談を出来る様になった事が私にとって貴重な経験であり、やって良かったと満足しております。

【吉田】
さて、ここまでは長池陽子医師の体験談をご紹介いたしましたが、実施したのは4年前になります。
したがって従来のレーシックを行った訳ですが、最近さらにレーシックが進化してきており現在主流になっているイントラレーシックという方法をご紹介します。従来のレーシックはマイクロケラトームというブレードのカミソリでフラップを作成しますがイントラレーシックでは、コンピューター制御のレーザーを用いてフラップを作るという方法になります。
これは、イントラレーシックの方がフラップをより薄く、正確に作成することが可能になり、従来のレーシックでは出来なかった強度近視の矯正適応範囲が広がったという点や今までは術中に起こる可能性のあった問題も改善され『より安全性と精度の高まった屈折矯正手術』と言えます。当院で導入機種であるVISIX社では、イントラレーシックを行う際にウェブスキャンという機械を使って本人だけのカスタマイズされたレーザー照射する方法を『i LASIK』と呼んでいます。
きっと
『iLASIK』で今まで以上の満足感を得られると思います。


Text by 吉田眼科病院 吉田 紳一郎 副院長  長池 陽子 医師( 2011年2月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

インフルエンザあれこれ・・・

内科2019/09/30

 函館にもようやく涼しい秋の季節がやってまいりました。この時季になると、話題になるのが「インフルエンザ」です。そこで、今回はインフルエンザの予防接種について話したいと思います。「いつ頃予防接種をしたらいいのか」という質問を耳にします。成人では通常、1回の予防接種を行うと、接種後2週間を経過したあたりから血中の抗体の量が増え始め、4週後にその量は最大になります。そして、3~5カ月かけて少しずつ抗体量は減っていきます。つまり、10月に接種すると、11月には抗体の量が最大となり、その後、翌年の2~4月まで感染予防効果が期待できるというのが、理論上の話となります。早ければ、11月にインフルエンザの流行が始まりますので、10月中の接種が好ましいのではないでしょうか?

 ここで、「そもそも抗体とは何か」を簡単に説明します。抗体とは、体内に侵入してきたウイルスにくっつき、ウイルス本来の「感染させる」という役割を失わせるものです。もともと、ウイルスが体内に侵入すると、免疫系が反応して抗体を作ります。しかし、抗体ができあがる前にウイルスに侵入されてしまう場合があります。これが予防接種をしておくことで、ウイルスが侵入する前から抗体を作り、ウイルスと戦う準備を前もってしておくことができます。なかには、抗体をすり抜けてウイルスが侵入し、「予防接種をしたのにインフルエンザにかかってしまった」という方もいらっしゃいます。

 予防接種が実際に、どのくらい発症予防に有効かを調べることは一筋縄ではいきません。例えば、インフルエンザは毎年型が異なっていたり、二つの型が同時に流行することもあります。また、周りへの感染力もその地域の年齢層や人口密度によって大きな差が生じます。成人では1回のワクチン接種では50%しか予防できないという統計もあります。それでもやはり予防接種によりウイルスと戦う準備をしておくことはとても大切だと感じます。今年も早めの予防接種をお勧めします。予防接種につきまして、何かお聞きになりたいことがありましたら、内科医にご相談ください。


Text by おの内科呼吸器内科クリニック 小野 貴広( 2019年9月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

不妊症検査によって妊娠することがあります。赤ちゃんが欲しい方は早めに検査を受けましょう

産科婦人科2012/03/19

 女性の基本検査には、ホルモンの検査のほかに、卵胞(卵子を包む袋)の発育を診る超音波卵胞測定、卵管や子宮の内部を調べる子宮卵管造影検査、精子の通過性を調べるフーナーテストなどがあり、これらの検査をきっかけに妊娠する方も少なくありません。

●超音波卵胞測定
 低温期に超音波検査で卵巣内の卵胞の数や大きさを測ります。
卵胞の大きさが18mmを超えた時点でホルモン検査を行い、E2(エストロゲン)が300、LH(黄体形成ホルモン)が10以下なら排卵となります。

排卵日を正しく予測でき、妊娠しやすい性交のタイミングを指導できます(タイミング療法)。

●子宮卵管造影検査
 低温期に造影剤を使ってX線撮影をします。
排卵が順調でも、卵管に狭窄や閉塞があると不妊の原因となるため、必須の検査です。
この検査で卵管の軽い狭窄が解消し、検査後に妊娠することがあります。
検査は排卵前なので、造影剤やX線の影響は心配ありません。

●フーナーテスト
 排卵に合わせて性交してもらい、子宮頸管に精子がどのぐらいいるかを調べます。
医師が排卵日を正確に予測するので、この検査で妊娠することがあります。

また、フーナーテストは男性不妊の検査を兼ねます。
一定数以上の精子が子宮頸管にいれば、造精機能(精子を作る働き)に問題はないと分かります。

 産婦人科で不妊症の検査を受ける前に、基礎体温や市販の排卵検査薬を使って妊娠しやすい日を選ぶのもひとつの方法です。
しかし、排卵日の特定は難しく、タイミングが分からない、タイミングを選んだのに妊娠できないなど、ストレスを感じる場合もあります。

 医師が行うタイミング指導は、科学的根拠に基づく高度な医療テクニックです。
自己流の性交タイミングとは全く異なります。

 赤ちゃんが欲しい方は、勇気を出して産婦人科を受診するのが早道でしょう。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史( 2012年2月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

春の検診で視力の用紙をもらったら

眼科2012/05/28

 新学期を迎え、我々眼科医も学校健診のため小・中学校を訪れます。
視力検査を含め、目の病気が疑われれば専門医を受診するようにと、健診の結果用紙を子供達は学校から頂いてきます。
その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。
小学校一年生にとって視力という検査は初めての経験で、やり方も良く理解出来ないかも知れません。
そのため検査結果が眼科で測る時より悪くなることもあります。
しかしながらこの年齢で結果が悪い場合、遠視のお子さんも多く見受けられます。
そして、遠視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともある、目にとってラストチャンスの時期だとも言えます。

 簡単に言うと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントがあった画像が目にはいるので弱視になることはありません。
それに対し強い遠視の場合は近くも遠くもピントがあわず、常にぼやけてしまいます。
いつもはっきりしない画像しか見えていないため視機能(ものを見る力)が発達することができなくなります。
そのため放置するとメガネで矯正しても視力がでない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。

 小学生の視力低下にまれに見られるのが心因性視力障害です。
お友達がすてきな眼鏡をかけている。
「自分もメガネがほしいなぁ」と言うように強く思うだけで視力が出なくなってしまう場合もありますし、お友達とけんかをして「学校に行きたくないなぁ」、などという気持ちが目に表れてしまうこともあります。
そういう場合にはご両親はもちろん学校の先生ともよく話し合うことが必要なことがあります。

 健康診断で視力の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2012年5月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

アトピー性皮膚炎

眼科2021/06/03

 眼科の診察では眼とその周囲を重点的に観察しますが、そこでアトピー性皮膚炎に関連した所見がみつかったり、関連がありそうな症状の訴えを聞くことは多々あります。代表的なものとして、まぶたの皮膚の乾燥や赤み、結膜炎による慢性的なかゆみ、擦過や眼瞼内反症に伴う角膜のキズや微生物の感染などが挙げられます。皮膚に慢性的な炎症があると、それに引き続いて眼にもトラブルが波及する場合があるのです。では眼科ではどうするか。まず、まぶたの表側(つまり皮膚)のトラブルは、アトピー性皮膚炎の管理の基本に則ってまず清潔と保湿を意識することを勧めます。それでも不十分ならば副腎皮質ステロイド(いわゆるステロイド)入りの軟膏を使用します。そしてまぶたの内側(結膜)のトラブルには抗ヒスタミン薬やステロイド入りの点眼液を主に使用します(程度によってはさらなる治療が必要な場合もあります)。このように眼科でもまぶたの治療は行うものの、先述のとおりアトピー性皮膚炎においては眼の状態は皮膚のコンディションに大きく影響されますので皮膚科の受診も要検討です。

 過去に色々とアトピー性皮膚炎の治療を試したが奏功せず諦めたという方も少なくないと思いますが、「アトピー性皮膚炎は大人になってからでは治療できない」という誤った認識を捨て、現代の標準的な治療アプローチでもう一度治療に取りかかることも一案です。また、治療のキープレイヤーとなる点眼液や軟膏などの局所投与用ステロイドはその使い方のルールを守り、定期的な監視を怠らなければ有効かつ安全に使用できますので、やみくもに忌避することは有益ではありません。眼の健康を保つためにも、信頼できる皮膚科医をみつけ、地道なケアを根気強く継続することが肝腎と言えます。


Text by 江口眼科病院 佐々木 功( 2021年2月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

実はありふれた病気、統合失調症

心療内科2014/12/01

 統合失調症は、大体100人に1人がかかる、ありふれた病気です。
原因は不明で、元々の体質と環境が関連して発症すると考えられています。
症状は個人差が大きく、代表的なものは幻聴や妄想です。
幻聴は誰もいないのに話し声が聞こえ、不快な内容が多いようです。
妄想とは、どんなに説得しても訂正されない誤った考えのことで、被害妄想などがあります。

 治療は薬物療法が主体で、より副作用が少なく効果の高い薬が開発されてきています。
症状がよくなっても服薬をやめると再発することが多く、再発を繰り返すと元の生活に戻りづらくなるので、よくなったからといって自分で薬を減らしたりやめたりせず、副作用などについて主治医とよく相談しながら治療を続けることが大切です。


Text by 函館渡辺病院 池田 智恵美( 2014年12月1日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

顎関節症(がくかんせつしょう)について

歯科2015/07/06

 顎の関節や筋肉の違和感や痛みの症状を総称して顎関節症と言います。
近年顎関節症は増加しており、若年層の方に増えてきています。
これは最近の軟らかい食べ物の食生活によってかむ力もかむ回数も少なくてすむため、筋肉が衰えてしまい顎関節の動きをしっかり支えることができずに顎関節症が発症しやすいのです。
顎関節症の原因としては、くいしばり、歯ぎしりによるブラキシズムと言われるものや、頬杖をつく癖や、左右一方で噛むくせがある偏そしゃくなどが原因とされています。
顎関節症の状態として最も多いのは、顎関節内にある関節円盤とよばれるクッションが前方にずれることで起き、音が鳴る状態でさらに進行すると痛みが出る場合もあります。
治療方法としては、スプリントと言われるプラスチックの板を歯列全体にかぶせる保存的な治療が一般的です。


Text by 吉田歯科口腔外科 勝又 譲( 2015年7月6日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

歯周病とは

歯科2014/09/30

 歯周病とは歯自体ではなく、歯にとって大切な土台になる歯茎や顎の骨に炎症を起こしたりすることによって、周りの組織を破壊する病気のことをいいます。
歯周病は成人を過ぎると8割くらいの方が該当するくらいあり、今までに虫歯に縁が無かった人でも調べてみると歯周病になっている方もたびたび認められます。
症状としては歯茎のみの炎症である歯肉炎と歯茎以外にまで炎症が進行する歯周炎があります。
歯肉炎とは歯茎が炎症を起こしている状態で周りの歯茎よりも赤くなって腫れている為歯ブラシなどが当たったりする刺激で出血しやすくなっていますが、痛みに対しての自覚症状が無い場合が多いです。
歯茎の周辺の歯の根元に歯垢がたくさんたまっていますが、歯科医院で歯垢除去をおこなったり食事をした後に丁寧なブラッシングをすることによって改善されていきます。

 しかし歯周炎にまで進行すると歯茎のみの炎症で済んでいた炎症が歯を支えてる歯根膜や顎の骨、歯の根元まで炎症が広がります。
歯周ポケットが深くなり根元が露出し今までよりも歯が長くなったように感じます。
さらに進行すると歯を固定する力が弱くなってしまう為に歯が動いてきたり、歯垢、歯石がつきやすいために細菌が増殖し歯肉の突然の腫れや痛みが出ることがあります。
歯周病は生活習慣病として位置づけられ食習慣、歯磨き習慣、喫煙なども関連があるので歯科医院の治療のみでなく個人の生活習慣の改善も大きく関与します。
歯や口は消化器官の一部の役割と同時に体全体とも繋がっているため、長期間慢性化することによって病原性を持った細菌が血液中に入ったり、また飲み込まれた口から心臓や肺などに病気を起こす可能性もあります。
歯周病を予防することは歯や口の健康を守るのみならず、全身の健康を守ることに繋がるため、歯周病が進行する前に歯科医院にて確認してもらうことをお勧めします。


Text by 吉田歯科口腔外科 勝又 譲( 2014年10月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

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