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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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「よく噛める」から「快適な生活」につなげる痛くないインプラント治療を提供

病院紹介2011/03/09

 JR桔梗駅から駅前通を上がり徒歩約10分に位置する「なしき歯科医院」。
開院以来、「お口の健康を通して、患者様の人生がより豊かなものになること」を目指して、スタッフ一同明るい笑顔で接し、きちんとした説明を納得いくまで行い、最適な治療法の提案に努めている。
患者は市内のみならず、道南地区全域から訪れ、信頼も厚い。 一般歯科をはじめ審美歯科、予防歯科、小児歯科に対応しているが、近年、特に力を入れているのが、自由診療であるインプラント治療だ。
梨木賢二院長は北海道大学歯学部卒業後、北大歯学部第1補綴科に入局し、主に入れ歯治療の研鑽に努めてきた。
開院後も総入れ歯や部分入れ歯などで多くの治療に接してきたが、「入れ歯の治療には限界がある」と感じはじめたという。
「当院が提案するインプラント治療は、噛めるから始まって皆様の快適な日々の生活につながることにあります。
入れ歯は歯茎との間に空気が入ると外れてしまったり、自分の歯のようには噛むことができません。
また金属のバネがかかっている歯は歯槽膿漏や虫歯の危険が高まり、周囲の骨まで痩せてしまうこともあります。
多くの患者さんの望みは、よく噛めることと人前で大きなお口を開けて笑える自信を取り戻すことです。
インプラントはそのために有効な治療法のひとつと考えています」と梨木院長。
同医院では、インプラントの臨床応用で40年以上の歴史があり、世界1シェアを誇るノーベルバイオケア社のインプラントを採用し、より天然歯に近い安心かつ安全で、同時に短期間での治療を心がけている。
また、新たにCT画像解析ソフトノーベルガイドを導入し、コンピューター上で患者の骨や口腔内の状態に応じたインプラントの設計、埋入のシミュレーションを行うことで、より精度の高いインプラント治療を実践している。 09年には『この一冊でインプラントがわかる 5つの物語』という小冊子を自ら作製し好評を得るなど、インプラント治療のニーズも高まり、「笑ったときに金属のバネが見えなくて、まるで自分の歯のようだ」など、治療を受けた患者から喜びの声も寄せられているという。「口元に自信を持ち豊かで実りある快適な人生を送るためにも、気軽にご相談ください」と話す。


Text by なしき歯科医院( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

おしっこの悩み、歳のせいだとあきらめていませんか?

泌尿器科2014/10/27

 おしっこをしても、またすぐにトイレに行きたくなる。
急に尿意をもよおして我慢ができない。
夜中たびたびトイレに起きる。
このような症状でお困りの方は、原因を正しく調べることで症状を改善させることができます。
泌尿器科ではどんな検査が行われるのか不安な方も心配はいりません。
問診と腹部超音波など苦痛の少ない検査で簡単に診断することができます。
また、これらの検査とは別に排尿日記をつけてもらい、頻尿の種類を分類して、それぞれの場合にあった治療方法が選択できるような工夫もしています。
また当院ではこれまでに治療を受けていただいた方々の治療結果分析を行って、その分析結果を提供しています。

 おしっこのことが気になって乗り物に乗れない、買い物の途中でしたくなったらどうしよう、夜中何度もトイレに起きるので昼間眠くてたまらないなど、頻尿は日常生活に大きな支障をきたします。
そして夜間の頻尿は体の健康状態にも悪影響を与えることが知られています。
現在は原因や症状に合わせた様々な薬が使えるようになりました。
また薬以外にも普段の排尿習慣を少し変えてみたり、むくみを抑える靴下を使うことで症状をやわらげることもできます。
おしっこでお悩みの方は、歳のせいだとあきらめないで、気軽に専門医にご相談ください。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬(  「青いぽすと」掲載)

高血圧気味と医師から指摘されました。どのようなことに気をつけるべきでしょうか?

内科2011/03/07

まずは生活習慣の見直し・改善が重要です
リラックスした家庭での血圧測定も大切です
 高血圧はほとんどの方が症状がないので、サイレントキラー(静かなる殺人者)ともいわれています。
血圧が高いのをそのままにしていると、脳卒中、心筋梗塞、心疾患、慢性腎臓病などの罹患率及び死亡率が高くなります。
このような合併症を起こしてから加療を開始しても後遺症が残ったりしたままの生活を余儀なくされたり、脳卒中などであれば寝たきり状態、半身麻痺などになり、非常に生活の質が低下する場合があります。 血圧高値は、最近話題となっているメタボリックシンドロームの要素のひとつでもあります。
高血圧はわが国では約4000万人いるといわれています。ある調査によると、30歳以上の日本人男性の47%、女性43%が血圧高値または降圧薬内服中といわれています。
つまり中年者以後の約半数が高血圧といわれることになり、珍しい病気ではないのです。
高血圧は本態性高血圧と原因が明らかである二次性高血圧に分けられます。
本態性高血圧とは原因が明らかである二次性高血圧を除外した原因不明の高血圧で約90%が本態性高血圧といわれています。
原因がハッキリしている二次性高血圧については原因加療が主体となりますが、原因不明の本態性高血圧は血圧管理が必要となってきます。
高血圧症はそのほとんどの人がほぼ無症状であり、健康診断や他の病気で病院を受診した際の血圧測定で発見されることが多いようです。 現在の高血圧の基準は2009年のガイドラインによると、下記の表のようになっています。
高血圧と診断されれば、すぐに薬の加療をしなければならないということではありません。
まず大事なのは生活習慣の改善です。減塩(6g/日未満・現在の日本人は約11g程度摂取しているといわれています)、適度な運動、節酒、禁煙です。
これらの生活習慣を改善しても血圧高値が持続するようであれば、薬による加療が必要と考えられます。
現在血圧に対する内服薬はさまざまな種類があります。血圧の薬も徐々に新しくなり、現在は1日1回の内服薬でよい薬、合剤といって異なる種類の薬を一粒にした薬も増えてきており、以前に比べ内服の継続もしやすくなってきています。
健康診断で血圧が高いといわれたことのある方は、ぜひ家庭での血圧を測定してみてください。
健康診断などでは緊張などで血圧が高くなっているだけの方も多いのです。
家庭での血圧が高ければ、減塩、適度な運動などの生活習慣の改善をしてみてください。
それでも血圧高値が持続するようであれば、合併症が起こり、あとで後悔する前に医療機関への受診をお勧めします。


Text by 斉藤内科消化器科医院( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

検査をしても異常がない病気?!機能性胃腸症という病気

消化器内科2008/08/13

 みなさんは、日常の生活の中で胃腸の痛みや不調を感じることはありませんか?

 あるデータによると、慢性的な胃の不調を訴える患者の半数からは、胃カメラやバリウム検査で胃炎や胃潰瘍(かいよう)、がんなどの粘膜の外見的な異常(器質的疾患)は見られなかったそうです。症状が続いているのに、「神経性胃炎」や「気のせい」「異常なし」と言われ、かえって不安やストレスが増し、悪化する例も少なくありません。

 器質的な異常がなくても、実際に胃腸の運動機能が低下していることにより、胃腸の不調が現れることを「機能性胃腸症」といいます。

 原因は、疲れやストレスなどによる消化管の運動不良で、症状は、のどのつかえ感、胸痛、胸焼け、胃もたれ、胃痛、腹痛、食欲不振、腹部膨満感などです。

 しかし、これらの症状は、がんや胆石、胃炎・胃潰瘍、過敏性腸症候群、逆流性食道炎の症状と似ているため、超音波検査や胃カメラ・大腸カメラでこれらの病気が無いことを確認しておくことが大切です。

 治療は、まずはストレスの改善と規則正しい食生活です。過労・睡眠不足、食べ過ぎ・飲み過ぎ・早食いを避けること、また脂っこいものや甘いものを控え、胃を休めるように心がけることも大切です。また、症状に応じて胃腸の働きを促す薬、時には安定剤が必要なこともあります。

 症状や原因には個人差もありますが、まずはきちんと検査を受け、他の様々な病気を除外しておくことが必要です。以前は苦痛を伴っていた胃カメラや大腸カメラも、カメラの進歩により苦痛はかなり軽減しているため怖がらなくて大丈夫です。また、たとえ検査で異常がなくても、不調が続く時には、単なる思い過ごしとあきらめずに、専門医に相談してみましょう。

 病気について丁寧な説明を受け、仕事や家庭での悩みを聞いてもらうだけでも安心して症状が緩和されることもありますよ。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

ノバシェイプ 〜完全に痛みなく脂肪細胞を破壊する、最新のシェイプアップ医療機器〜

形成外科2010/03/19

 従来の施術で多く用いられてきた脂肪吸引は、麻酔をしメスで切らなければなりません。
ということは、多少のリスクを背負わなければなりませんでした。
また、個々のダイエットをする場合にはいろいろな方法があり過ぎ、どれが自分に合うのかわからない、続けられないのが本音ではないでしょうか。
それらの問題を解決したのが『ノバシェイプ』です。

 ノバシェイプは非侵襲性(痛みなく、メス・麻酔を使わない)の脂肪減量とボディーシェイピングの実現を目指して何年にもわたり研究を重ねた結果生まれた最新装置です。
今までのシェイプアップの機器との違いは、脂肪細胞を破壊することにあります。
そして、シェイプアップを実現させます。
ノバシェイプソフトウェアにより超音波を継続してスイープし、脂肪組織部位の密度、深度、形状に適した特異的周波数を出力させます。
頭部以外のほとんどの部位で治療が可能となり、僅か1回の治療で効果が得られます。治療後(脂肪細胞の破壊後)放出された脂肪は身体の血管、リンパ経路を経て代謝されます。

 ノバシェイプの共鳴効果によるダイナミックキャビテーションとは、急激な圧力の変化(超音波)によって微細な気泡が大量に発生する物理的現象で、このキャビテーションにより、気泡の形成と気泡の破壊による持続的な圧力が、脂肪組織を包む組織液にその高い機械的圧力が生じ、脂肪細胞膜を破壊します。

 最初の治療で明らかな効果が得られます。
お腹であれば、個人差はありますが、施術後7〜14日目より腹囲で2〜3cmの減少が認められ、脂肪吸引(最大でも腹囲5cm減少)にも劣らない効果が得られます。
より効果をお望みの方には、脂肪量に応じて1部位につき2回程度の施術が可能です。
また、1回の施術でより効果を出すためには、脂肪柔軟液の注入の併用も可能です。
また、脂肪細胞破壊後に生じた脂肪をより効率的に代謝させるコースも選択できます。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二( 2009年8月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

季節性アレルギーと喘息の話

内科2014/03/31

 ここ数年積雪量が多くなってきた函館ですがようやく雪解けの季節を迎え、春が近づいてきているのを実感します。
しかしながらこの時期から徐々に花粉症(鼻炎や結膜炎)に悩まされる方が増えてきます。
また、喘息をお持ちの方も季節の変わり目になると症状がひどくなる方が多く認められます。
春・秋の季節の変わり目や、気候の不安定な時期に喘息発作が出やすいことは古くからよく知られています(季節の変わり目に喘息が悪化する原因は、気温、湿度、気圧などの物理的要因と、気候・気象の変化に伴うダニ、カビ、花粉などのアレルゲン、および大気汚染物質を始めとする大気成分の量的・質的変化などが考えられています)。
この季節の道南地区のアレルギー症状はスギ・ハンノキ・シラカバなどの花粉によっておこされることが多いです(道南地区は北海道内で唯一スギが自生しています)。
以前スギ花粉症はアレルギー性鼻炎や結膜炎の原因にはなっても、喘息を起こすことはあまり多くないと言われていましたが必ずしもそうとは言い切れないことがわかってきています。
実は喘息の方でアレルギー性鼻炎を合併している頻度が約50~70%と非常に高率です。
アレルギー性鼻炎の方から見ても、喘息を合併している頻度が約10~20%あるといわれています。
従って、スギ花粉症の患者が喘息になるのはもともと喘息体質があって、気管支が過敏な人がスギ花紛やそれ以外のアレルゲン(ダニ、ペット、カビ)に対して喘息になると考えられます(喘息の主たる原因はダニとハウスダウトといわれています)。
春が過ぎ夏になるとカモガヤ、秋にはブタクサ・ヨモギの花粉が飛散します。
季節性アレルギーをお持ちの患者さんはその時期に合わせて適切な治療を受けることが必要です。


Text by ききょう内科クリニック 蓮沼 晶子( 2014年4月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

おなかいっぱい食べてないのに?

 そろそろ忘年会のシーズンですね。
メタボな方〜おなか回りのぜい肉に苦慮する僕には困った季節です。
飲み会・宴会なんでもござい!気がつけば体重が2〜3kg増!!
恐いですね。

 ダイエットをしたい方は糖尿病を基準にして一日の食事の摂取カロリーを考えてみませんか?

 仕事がデスクワークであれば、一日に必要なカロリー数は、身長(m)×身長(m)×22(BMI指数)×25(キロカロリー)で求めます。僕の場合、身長が164cmですから、1.64(m)×1.64(m)×22×25=約1480キロカロリーとなります。
大まかに一食500キロカロリーです。

 さて、一食500キロカロリーを目安にコンビニへ行ってみましょう。
お弁当をみると、ほとんどが500キロカロリー以上だと思います。
ファミリーレストランもまた同じ。
500キロカロリー位のメニューを見つけるのは非常に難しいと思います。
また、ファーストフード店では、レギュラーサイズのハンバーガーにフライドポテトをつけるだけで500キロカロリーを超えてしまいます。
共通するのは 油を使った食べ物が多いことです。

 このようなものを食べるときは揚げ物などの油を多く使用したものを少し我慢するように努力してみて下さい。
宴会などで食べるなとはいいませんが、その翌日は「昨日食べすぎたから朝抜き」「昼は、そばですまそう!」、でも、結局夜におなかがすいて、どか食い!となりやすいので気をつけてください。
食べ過ぎた翌日こそ一食500キロカロリーを遵守してみてください。

 一食500キロカロリーと考えるといかに通常の食事のカロリー数が高いか思い知らされます。
そんなに食べていないつもりでも、意外にカロリーオーバーしているものなのです。
一日に食べたものをすべて書きだして、カロリー計算ができれば非常に参考になると思いますよ。
明日からではなく、今日から一緒にがんばりましょう!


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2009年11月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

マダニ(ダニ)感染症

外科-皮膚科2016/07/04

 夏、野山に出掛ける機会が増えますが、マダニに刺されることで発症するマダニ刺症を帽子や肌の露出がない着衣で予防することが大切です。
日本のマダニ感染症は、抗菌薬が効く細菌感染と、治療法が確立していない重篤なウィルス感染があります。
道南地域のイヌにダニ媒介脳炎ウィルス分布が判明しています。
全てのマダニが病原体を有するわけではありませんが、注意は必要です。
刺された直後はダニの唾液の麻酔作用で気付かず吸血で虫体が大きくなり炎症も併発し気付きます。
好発部は主に頭頸部です。
1日以上経過後は分泌するセメント物質で固着し皮膚ごと虫体の切除が必要ですので、皮膚科や外科を受診してください。
3週間程度で、発熱、発疹、関節痛などの症状出現時は医療機関を受診してください。

詳細は、「マダニ対策、今できること」で検索し、国立感染症研究所ホームページを参照してください。

国立感染症研究所ホームページ


Text by 函館渡辺病院 伊坂 直紀( 2016年7月4日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

『夏風邪』注意!

内科2012/07/30

 そろそろ夏本番です。

 夏は、急な気温の変化に加え、様々なイベントのため疲労がたまり、免疫力が低下することで「夏風邪」をひきやすい季節となります。
夏風邪の原因となるウイルスは、冬に流行するウイルスと異なり、症状も大きな違いがあります。
それを知らずに冬の風邪と同じ対応をすると、かえって風邪をこじらせて悪化させてしまうことがあります。

 通常の風邪のウイルスは、低温で乾燥した環境を好みますが、一部のウイルスは、高温多湿を好み、夏に活動的になります。

 夏風邪は、発熱と、腹痛や下痢、喉の痛みなどが特徴的な症状です。

 発熱があると、市販の解熱鎮痛剤や風邪薬を使う方が多いですが、腹痛や下痢を伴う場合、市販薬には、胃腸障害や便秘を起こしやすいものがあるので注意が必要です。

 下痢は、ウイルスを外に排出するための症状でもあるので、下痢止めや風邪薬で下痢を
無理に止めてしまうと、かえって症状が長引くこともあります。

 しかし、数日間、下痢が続くと、脱水症状になりやすいので、水分をこまめに摂ること、
特に子供や高齢者は、脱水症状に気付きにくいので、定期的な水分補給が大切です。

 喉の痛みには、初期のうちであれば、うがいや「濡れマスク」が効果的です。喉は、乾燥すると免疫力が低下し、ウイルスが繁殖しやすくなるからです。

ただし、夏風邪のウイルスは、高温で不潔な環境を好むので、マスクは早めに交換し常に清潔なものを使用しましょう。
冬の風邪は、咳やくしゃみによる飛沫感染が中心ですが、夏風邪は、経口感染が多く見られます。
家族に感染者がいる場合は、手洗いやうがいを心がけ、トイレや洗面所のタオルの使いまわしは止めましょう。
湿って汚れたタオルには、夏風邪のウイルスが繁殖しやすいのです。

 また、夏風邪の場合、38度台の熱が、数日続くことがよくあります。
そんな時、ふとんをかぶって、無理に汗をかいて治そうとする人がいますが、夏期は、体力を消耗しやすいので、これは要注意です。
水分を十分に摂って、ゆっくり休み、体力の回復を心がけましょう。

しかし、腹痛や下痢が続くとき、また、喉が腫れて飲み物が通りにくい時は、早めに病院を受診して下さい。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2012年7月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

胃がん撲滅元年

 今年は胃がん診療に大きな動きが2つあり胃がん撲滅元年ともいわれています。
1つ目はヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)診療の保険適応の拡大です。
ピロリ菌は胃の中に住んでいる細菌で、もともとは胃・十二指腸潰瘍の原因菌として発見されました。
その後は血液の病気など多様な病気の原因でもあることが明らかとなり、保険で治療できる病気の種類は増えています。
そんな中、今年の2月には慢性胃炎でもピロリ菌の保険診療が認可となりました。
ピロリ菌は慢性胃炎を引き起こしてそこから胃がんの原因になっていくと考えられています。
従って、胃炎のうちに除菌を行って胃がんの発生を予防し、胃がんの死亡率を下げることが期待されています。
保険診療上の注意点は、事前の内視鏡検査が必須条件となっており、そこで胃炎の存在が確認されたらピロリ菌の有無を調べる検査に進みます。
もし陽性であれば、希望により除菌治療を行うことになります。

 2つ目ですが、特に腹部症状がないなど保険でのピロリ菌診療ができない方は、『ABC検診』(胃がんリスク検診)が推奨されています。
この検診はピロリ菌と、胃粘膜の萎縮を反映するペプシノゲンを同時に測定するもので、血液だけで調べることができます。
検査結果の組み合わせから胃がん発生の危険度によりいくつかのグループに分けられ、除菌を勧めたり、今後の適正な胃がん検診間隔を推奨するなどしてがん予防に生かす方法です。
これまで胃がん検診といえばバリウム検査が主に用いられてきましたが、今後は胃がんになりやすい人とそうでない人を選別してその後の対応を決めていくこの方法が主流になっていく可能性もあります。
函館市では、この検診は今年度から特定健診のオプションとしても受けることができるようになりましたので、是非活用しましょう。
以上の新たな2つの動きは、がんの中で患者数の最も多い胃がんの撲滅に大きく寄与することが期待されています。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男(  「北海道新聞夕刊」掲載)

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