老眼の方! いいですよ! 遠近両用コンタクトレンズ!!
早い人では40歳代になると、老眼が始まります。
老眼とはカメラに例えれば、オートフォーカス機能が壊れてきて、遠くにも近くにもピントが合わなくなっている状態です。
そこで、遠くも近くも見やすくなるように助けてくれるのが遠近両用メガネです。
しかし、いろいろな事情でメガネだけでは困る方には、遠近両用(多焦点)コンタクトレンズ(以下CL)があります。
これは、2週間タイプと1日タイプがあります。
ただし、乱視が強い方は、乱視&遠近両用を兼ね備えたCLは存在しないので、見えづらいかもしれません。
老眼を感じ出したら、まずは眼科を受診し、老眼鏡や遠近両用メガネを処方してもらいましょう。
それから、遠近両用(多焦点)CLを試してみるのはよいと思います。
CLは、心臓のペースメーカーと同じ高度管理医療機器ですから、専門の眼科医にご相談下さい。
タバコとニコチン中毒
まだ肌寒い北海道ですが、ようやく行楽シーズンになりました。
出かける機会も多くなりますが、たばこを吸う人にとっては喫煙場所を探すのも一苦労でしょう。
また、タバコの害について目にする機会も増え、肩身の狭い思いをすることもあるのではないでしょうか。
北海道は男女とも喫煙率が高いことが知られていますが、当院に受診する患者さんもかなりの率で喫煙者がいます。
特に若い女性でタバコを常習的に吸っている方が多いことは驚きます。
ほとんどは一日10本以下くらいで、いつでもやめられる、と皆さん思っているようです。
でも、そう思いながら、だらだらと何年も吸い続けていませんか?
そして、吸うのをやめたらすぐに体は元に戻る、と思っていませんか?
一度体に蓄えられたタバコの害は、タバコをやめたらすぐに元に戻るというものではなく何年も体に蓄積され、場合によっては取り返しのつかない事になることもあります。
やめられるのならやめたいけど、吸わないと逆にストレスがたまってしまう、とみなさん思っているようですが、そもそもタバコを吸わないとイライラするのはニコチン中毒が関係しています。
タバコを吸っている人は多かれ少なかれニコチン依存症の状態になっています。
長時間タバコを吸わないでいて体の中のニコチン量が減ると、一定の量になるまでニコチンを補充しないとイライラが続くことになります。
これは麻薬の中毒症状と同じですが、実はニコチンは麻薬よりも中毒になりやすいといわれています。
現在ある禁煙用の薬は、何れもニコチンの中毒症状を何とかしようという薬です。
ニコチンパッチやニコチンガムは、別のルートからニコチンを体内に補充することで、ニコチン中毒によるイライラを緩和する方法です。
また、数年前に発売された禁煙補助薬は、ニコチンを含まずに、たばこを吸いたいという気持ちを抑えたり、禁煙によるニコチンの離脱症状(イライラなど)を軽減する薬です。
やめたいけどやめられない…という方は一度禁煙外来をしている医療機関で相談してみてはどうでしょうか。
高血圧の薬はやめられる?
診察室でしばしば聞かれる質問です。あるいは、「高血圧の薬は飲み始めたらやめられないから飲みたくない」と言われます。どうでしょうか?
高血圧の治療の目的を思い出してもらうと良いです。
最終の目的は脳梗塞や心筋梗塞にならないように、つまり動脈硬化した血管が詰まって、臓器に血液が流れなくなることがないようにすることです。
血圧が高いと血管が詰まり易くなるので、血圧を低く保つようにします。
それで体重を適切に保ったり塩分を少なくしたり、生活習慣の改善を勧めます。血圧が160/95でも、「明日脳梗塞になる」わけではありません。
でも10年後までには100人のうち8人が心筋梗塞を起こしたり、脳梗塞で半身まひになったりするのです。
では生活習慣病の改善を試みても血圧が下がらない場合にどうするか?
薬を飲んで血圧を下げてもらうことになります。
「薬をやめた人がいないか?」と聞かれると、少ない人数ですがいます。
①急に太った後に血圧が高くなったのですが、「薬を飲み始めたのがショックだった」そうで、体重を減らして数種類必要だった降圧薬がゼロになりました。
少し経過を見ましたが、もう血圧が上がってこなかったので自己管理することにした人がいます。
②最初から軽症の高血圧で減塩食にしてもらうと、次第に血圧が下がり薬をやめることができた人もいます。減塩でも上の血圧が10くらいは下がります。
③診察の時には緊張するために血圧が高くなりますが、家庭で自己測定してみると正常血圧であった人も薬は飲みません。
ひじで測る血圧計の場合には、正しい測定法であれば診察室の血圧より家庭血圧を参考にします。
「160/95前後の高血圧なら20%の人で薬をやめられる」そうですが、血圧が高くなればなるほど中止は難しくなります。
長い間高血圧を放置すると血管も硬くなるので、治療しても血圧が下がりにくくなります。
血圧をただ下げるのではなく脳梗塞などの大病を防ぐのが最終目標だと理解してください。
そうすることで将来の寝たきりや認知症になる可能性を少なくすることができるのです。
空気が乾燥しています。ドライアイにご注意
冬になり空気が乾燥してくるとお肌もかさかさしてきますが、目もシブシブ・ショボショボして疲れやすくなってきます。これは目を潤している涙が奪い取られてしまうためです。このような状態をドライアイ(乾き目)といいます。症状がひどくなると表層角膜炎(ひょうそうかくまくえん)や結膜炎を起こして目の表面に傷をつけた状態にもなってしまいます。疲れ目を訴える人の約6割はドライアイが関係しているという調査もあります。
「目が疲れやすい/目が乾いた感じがする/目がしょぼしょぼする/目がゴロゴロする/目が重い/目が痛い/なんとなく目に不快感がある/目ヤニが出る/目が赤い/まぶしい/目がかゆい/物が霞んで見える/涙が出る」このうち五つ以上あてはまれば、ドライアイかもしれません。
ドライアイには次のような要因があげられます。○空気の乾燥(目の表面から涙液が蒸発しやすくなります)○瞬きが少ない(読書やパソコン操作に集中していると、瞬きの回数が減ります)○コンタクトレンズの装着(コンタクトレンズが水をはじくために、目が乾燥することがあります)○シェーグレン症候群(中年の女性に多い病気で、目や口、鼻などの粘膜が乾燥し、関節痛が起きることもあります)
ドライアイの治療には、○点眼薬で目を潤す。(保水効果のあるヒアルロン酸や涙を増やすという薬を点眼する)○涙点とよばれる涙を鼻に排出する小さな穴に特殊なプラグを刺し込む手術をして塞いでしまえば、涙を眼球表面に長く留めることができます。○フード付き眼鏡の利用(眼鏡の脇から涙が蒸発するのを防ぎ、小さな加湿器タンクがついているドライアイ専用眼鏡カバーで涙の蒸発を防ぎます)、などがあります。
ぴかぴか光が見える
「ぴかぴか光が見えるのですけれども」と眼科を受診される方がいます。
光が見えるはずもないのに見えることを<光視症(こうししょう)>といいます。
片目に火花が飛ぶような光が見えて、急に黒いものが見える飛蚊症(ひぶんしょう)が一緒に出てきた時は、飛蚊症が小さい場合、網膜に穴が開く網膜剥離(もうまくはくり)の可能性が大きく、大きな丸い形の飛蚊症なら<後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)>という加齢による飛蚊症のことが多いようです。
「もっと大きな光がぎらぎら見える」「波打った光が見える」というような場合、片頭痛(へんずつう)と一緒に起こる光視症や、一時的な脳循環の不全などで起きる光視症もあるようです。
そのような場合、血圧を測ったり、脳神経外科の受診も必要かもしれません。
アンチエイジングと矯正歯科
先日、東京、御茶ノ水で開催された日本成人矯正歯科学会のテーマは、「アンチエイジングと矯正歯科」でした。
同時に開かれた「イーラインビューティフル大賞」に女優の釈由美子さんが選ばれ、学会を華やかなものにしました。
一般にアンチエイジングを日本語で言えば「抗老化」「抗加齢」。
美容整形分野では、しわや肌の若返り、スキンケアや医学的治療により、外部から皮膚そのものをケアすることで、よく使われておりました。
現在、歯科の分野では、抜けた歯の部分に、取り外しタイプの入れ歯や、周りの歯を削らない人工歯根療法(インプラント)などにより、歯を増やすことや、黄ばんだ歯、若いときに治療し変色した歯を、ホワイトニングにより、歯を削らずに美しい歯に回復させる場合に使われ始めております。
しかし、アンチエイジング治療を受けようと考える患者さまの多くは、若く見せたい、昔の自分に戻りたい、という強い気持ちをお持ちの方々と感じております。
したがってサプリメントやホルモン補充療法などの、内部から全身的に若返りを図る方法、つまり全身的な老化防止策が、最近脚光を浴びてきました。
歯科に関して言えば、見せかけだけではない、親知らずなどあまり利用されていない歯を、他の部分へ移植したり、歯槽膿漏により弱った歯茎をブラッシングやスケーリングにより進行を抑え、より健康にすることがすでに行われております。
またこれらに加え、最近では、より積極的に、GTR法や人工骨移植など、歯槽膿漏の手術による、骨再生療法などが手がけられてきております。
今回の学会の特別講演の一つであったプラセンタ(胎盤エキス)治療などと組み合わせたり、高齢者への矯正歯科治療とインプラントを同時に行い、若い頃より良い歯並びを手に入れることによる根本的なアンチエイジング治療が手がけられてきております。
胃バリウム検査では見つけにくい『食道がん』
最近、元女性アナウンサーが「食道がん」でお亡くなりになりました。
53歳の若さでした。
毎年、人間ドックで検査を受けていたそうです。
毎年検査を受けていたのに、なぜ?
胃バリウム検査だけでは、診断能力に限界があります。
特に、食道の撮影は、食道をバリウムが素早く垂直に流れていくため撮影のタイミングが難しいこと、また、集団検診の多くが、レントゲン技師が撮影し、後日に医師がその写真を見て診断するため、検査中の状況が十分に把握できず、細かい診断が難しくなるのです。
「早期の胃がん」でも胃カメラ検査時の微妙な色調の変化が発見のきっかけになることがあり、これもバリウム検査ではわかりません。
「食道がん」により、胸やけ・食道つかえ感が出現してくるのは、かなり進行してからになります。
毎年のバリウム検査だけで安心せず、今年は胃カメラ検査を受けてみてはいかがでしょうか。
「食道がん・胃がん」は、早期に発見されると、適切な治療で完治することができます。
歯や歯茎の色は健康?
歯が褐色や黄色に変化したり、歯茎が黒ずんでいると、自分でも口元が気になり、口を開けて笑う事が出来なかったり、口元を隠して話をする事はありませんか?
このような方は他人に対して暗い印象を与えてしまうかもしれません。
では、なぜ歯や歯茎は変色するのでしょうか?
歯茎の変色の原因は、歯周病、タバコなどによるメラニン色素の沈着、金属アレルギーなどが挙げられます。歯の変色の原因はコーヒーなどによる着色、外傷や神経の治療による変色、妊娠中の抗生物質の服用、加齢変化などが挙げられます。
では、どのように対処したら良いのでしょうか?
歯周病の治療は主に歯垢(こう)、歯石取り、歯茎のマッサージになります。メラニン色素はレーザーなどで除去できます。
着色は歯のクリーニングで、変色は白い歯を被せたり、ホワイトニングで対処できます。気になる方はかかりつけの歯科医院に相談してみて下さい。美しい笑顔を取り戻して健康な生活を送りましょう。
あなたはドライマウスではありませんか?
当院の外来では、口の渇きや、食べ物が飲み込みにくいという訴えで来院されるかたが意外と多くみられます。
ほとんどの方が糖尿病や食道の病気を心配されるようですが、実はその多くが口腔乾燥症が原因であることをご存知でしょうか。
口腔乾燥症はドライマウスともいわれており、口が渇く、のどがかわく、パンやクッキーが食べにくい、味がおかしい、飲み込みにくい、など多様な症状を呈します。
原因はいろいろありますが、大きく分けると唾液の出方が少なくなるものと少なくならないものに分けられます。
唾液は出ているが乾燥を感じるものの原因には、鼻がつまることで口呼吸が多くなるための過蒸発や、夜間に口をあけて寝ることなどがあげられます。
問題は唾液の出方が少なくなるためにおこるドライマウスです。
主なものとして放射線治療後におこる唾液腺の分泌障害や手術、脳血管障害などに伴う神経障害によるもの、さらにある種の薬剤によってもおこりますし、一番多いのはやはりストレスに伴うもののようです。
ドライマウスの状態を示す病気で見落としてはいけないものにシェーグレン症候群があげられます。
この病気は関節リウマチの親戚に当たる関節の痛みをともなう膠原病の一種ですが、女性に多くみられるのが特徴のひとつです。
口の中の症状としては虫歯が急に悪くなったり、義歯をつけたときの違和感なども起こります。
通常は目の乾燥も伴うため、目の異物感やかゆみ、さらにコンタクトレンズをすると痛くなるなどの症状も現れることがあります。
診断には耳鼻科、歯科口腔外科、眼科などの専門医の受診が必要になります。
また関節症状については整形外科や膠原病科の受診も必要となるでしょう。
治療としては、唾液分泌を促す、うがい薬や飲み薬を使うことになります。
またストレスが原因の場合はそれを軽減する薬を使うこともしばしばあります。
シェーグレン症候群は他の膠原病(全身性エリトマチートスなど)と同時に出てくることもあり、ドライマウスがきっかけで膠原病が見つかることも少なくありません。
ドライマウスが気になる方は一度医療機関を訪ねてみてはいかがでしょうか。
脱毛症
脱毛症と発毛障害の原因はそれぞれ異なっている事があり、それぞれ適応した治療があるため、脱毛症にはどんな種類があるかを知ることが大切です。
びまん性脱毛症は女性に多い脱毛の一つで、頭部全体が均一に薄くなり毛根は正常ですが、アミノ酸やビタミンなどの栄養素が十分に供給されていません。
遺伝子性脱毛症は男性ばかりではなく女性にも生じますが、男性の場合は早い時期から始まり、見かけも顕著です。
症状は男女で異なり、男性は額の生え際と後頭部に生じますが、女性は前頭部に生じます。
原因は内因性のホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に対する毛根の過敏性反応です。
主な原因は感染症、血行障害、ストレス、アレルギー、栄養障害、ホルモンの変化などいろいろありますが、治療において大切なことは専門医と相談、診断を受け、原因を特定して治療を受けること、治療薬には副作用もありますので専門医の十分な説明を受けて行いましょう。









