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進学・就職の時期になると…先天性色覚異常について

眼科2016/10/31

 進学・就職の時期になるとよく相談を受けるのが、先天性色覚異常かどうか? と言う質問です。
 先天性色覚異常は、男性の5%(20人に1人)、女性でも0・2%に見られ原因は遺伝とされています。
「色覚異常は一つの個性であって、色弱や色盲という言葉が差別やいじめを生む」などから、学校検診で行われていた色覚検査が希望者だけになり、就職時の検査でも一部の職種を除いてほとんどが行われなくなりました。
しかしながら、いざ就職試験の時に初めて色覚異常を指摘されてショックを受る様なことが起きてしまいます。

 さて、実際色覚異常の方はどんな見え方をしているのでしょうか?
網膜には赤・緑・青それぞれの光を感じる網膜細胞があって、その感じる力が弱い場合色覚異常になります。
特に赤と緑の障害の場合が多く、例えば、緑の葉っぱの中にある赤いきれいなつつじの花があっても、どこに花があるかが分からない、と言う事が起こります。
小学校に上がると緑色の黒板に赤いチョークで文字を書かれると、よく読めなかったり、図工の時間に写生をしたりするときにお花や消防車の絵を間違った色使いで描くこともあると思います。
ですから、家族・親戚に色覚異常のいるお子さんの場合、色覚検査は、小学校に上がる直前には色覚検査を受けておいて、小学校に上がるときに先生には相談しておくのが良いと思います。

 眼科医をしていても、色覚異常の方がどう見えているとか、生活上どのような注意をしたら良いとかは実際分からないことばかりです。
そこで、当クリニックに来院された患者さんには参考になる本を紹介しています。

 小さなお子さんの場合には「色弱の子供が分かる本 コミックQ&A」、就職を前にしている場合には「20人にひとりの遺伝子 色弱の子を持つすべての人へ」の2冊です。
ご家族はもちろん、是非、学校の先生や会社の方にも読んでいただきたい本だと思っています。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2016年10月31日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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