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レビー小体型認知症

心療内科2016/10/31

 認知症には様々な種類のものがありますが、その一つが「レビー小体型認知症」です。
脳に「レビー小体」というものが見られることからこのように呼ばれています。
レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症、血管性認知症と並んで、比較的多く見られる認知症です。
認知症と言うとまず物忘れが思い浮かびますが、レビー小体型認知症では物忘れを始めとする認知機能の低下があまり目立たない場合があり、次のような様々な症状が出現する傾向があります。

 まず、睡眠時に大声で叫ぶ、壁をたたいたり、暴れたりすることがありますが、これは夢に関係する症状です。
夢を見ている時には筋肉は弛緩しており、実際の行動は起きないものですが、そのバランスが崩れると様々な行動となって現れるのです。

 また、良く見られる症状には幻覚、特に幻視があります。
「子供がたくさん来ている」、「孫が居る」などと言ったりします。
同じ内容の幻視がありありと、繰り返し体験されるのが特徴です。
また、抑うつ症状が目立つこともあり、特に高齢の方の治りにくいうつ病の場合には注意が必要です。

 動作が遅くなったり、つまづきやすくなったり、パーキンソン病の症状が見られることがあります。
また、自律神経の症状として、起立性低血圧、必ずしも原因ははっきりしないのですが、失神も起きることがあります。

 検査に関しては、脳シンチという検査が有用です。
頭部MRIでは萎縮が明らかではなく、はっきりした所見が得られない場合でも、脳シンチでは後頭葉の血流が低下していたり、基底核という部分への薬剤集積が低下しているのが分かります。
治療についてですが、薬剤の副作用が出やすいことが特徴であり、量的に少な目に処方することになります。
認知症に対する薬、漢方薬、パーキンソン病に対する薬、場合によっては少量の精神安定剤が用いられます。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2016年10月31日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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