歯や歯茎の色は健康?
歯が褐色や黄色に変化したり、歯茎が黒ずんでいると、自分でも口元が気になり、口を開けて笑う事が出来なかったり、口元を隠して話をする事はありませんか?
このような方は他人に対して暗い印象を与えてしまうかもしれません。
では、なぜ歯や歯茎は変色するのでしょうか?
歯茎の変色の原因は、歯周病、タバコなどによるメラニン色素の沈着、金属アレルギーなどが挙げられます。歯の変色の原因はコーヒーなどによる着色、外傷や神経の治療による変色、妊娠中の抗生物質の服用、加齢変化などが挙げられます。
では、どのように対処したら良いのでしょうか?
歯周病の治療は主に歯垢(こう)、歯石取り、歯茎のマッサージになります。メラニン色素はレーザーなどで除去できます。
着色は歯のクリーニングで、変色は白い歯を被せたり、ホワイトニングで対処できます。気になる方はかかりつけの歯科医院に相談してみて下さい。美しい笑顔を取り戻して健康な生活を送りましょう。
デンタルインプラントについて
歯科で使用されるデンタルインプラントの素材としては、ほとんどのメーカーでチタンが採用されています。
チタンの性質として金属アレルギーがでにくく、身体に対して有害な作用を及ぼしにくく、海水や酸に対して高い耐蝕性を示すため心臓のペースメーカーや、人工関節などで使用されている素材です。
デンタルインプラントの特徴としては、失った歯の部分にチタン製のデンタルインプラントを埋め入れて、歯本来の機能や見た目を取り戻す治療法のことをいいます。
失った歯の部分を治療しますので、周囲の歯に負担をかけることがなく、これまであった歯と同じような役割を果たしますので、噛む力を分散させ、その他の自分の歯を守ることにもなります(保険適応外の治療になりますので歯科医院にてご確認ください)。
コンタクトレンズ(CL)の装用で注意すべきことは何ですか?
コンタクトレンズ(CL)はペースメーカーと同じ高度管理医療機器です!
現在CL装用人口は2000万人を超え、日本人の6人に1人はCLを使用していることになります。
わが国にCLが普及して50年がたち、近視用のほかに、遠視・乱視・老視用のCLも種類が豊富になったため、若い人ばかりではなく、すべての年齢層で増加しています。 実は、CLは心臓に入れるペースメーカーと同じ高度管理医療機器なのですが、簡単な物と同様に扱っている人が多いのが現実です。
インターネット購入や、無認可のカラーCLを洋服屋で購入している人などは重症な角膜障害を起こして痛みが出てから初めて眼科受診をする人もいます。 CLと眼鏡の大きな違いは、CLは目の中に入り、角膜に直接触れているということです。
角膜が必要とする酸素は涙を介して空気中から供給されます。
ですからCLを装用すると涙が角膜とCLに挟まれることになり、眼鏡の人に比べて、角膜は酸素不足になりやすいのです。
さらに、自分の角膜の形にあっていないCLや、つけっぱなしで期間を守らず使用したりすると、角膜に取り込まれる酸素が不足して角膜障害が発症します。
角膜上皮がはがれると大変な痛みを感じます。
また、傷から細菌が入ると重症の眼内炎になり、ひいては失明にいたることさえあります。
CL使用者はこれらのことを知って正しい使い方を守ってほしいと思います。 眼鏡店の中では、眼科医ではなく他科の医師の免許を使い診療ブースを開設している所もありますので、CLの診療は正確な知識がある眼科医のもとで受けてください。 正しい使い方をすれば、CLは大変便利なものです。
特にソフトCLでは、激しい運動でもずれにくく、くもらず、視野が広いという利点があり、スポーツ時には最適です。
近年はシリコンハイドロゲルという新しい素材のソフトCLが発売され、涙からでなくても酸素が通る素材なのでより安全に使用できるようになりました。
ほかにも、乱視や老眼にも対応できる色々な種類のソフトCLがあります。 また、強い乱視や円錐角膜などで角膜の形に強いゆがみがある場合はハードCLで角膜表面の形をしっかり覆い矯正することによりはっきり見えるようになります。 現在のCLは素晴らしい品質で、あらゆる人に対応できるほど種類も豊富です。
レーシック手術を受けてしまうと老眼年齢(40代後半)になってから辛い思いをします。
流行のレーシック手術を受ける前に、年齢に合わせてCLを着替えていくことも考えましょう。
これからは、細いだけじゃない、よく見える内視鏡
ここ数年、特殊光観察による強調画像を用いた胃・大腸カメラが普及してきました。
血液中のヘモグロビンに吸収される波長の光を照射することにより、食道・胃・大腸の粘膜表面の細かい血管構造を描き出し、正常粘膜とがんとをカメラで区別することができるようになりました。 すなわち、いままでの胃カメラや大腸カメラでは、見逃されることが多かった小さな病変が、この新しいカメラを使用することによって見つけやすくなったばかりでなく、がんを含めた腫瘍の大きさの範囲、深さ(進行度)が、詳細にわかるようになってきました。
胃カメラが、直径5~6mm程度の細さになっただけではなく、胃カメラ・大腸カメラの性能もこのように日々進歩しています。 一般のクリニックでもここまで精密な検査ができるようになったことに驚き、感謝しながら診療を続けている毎日です。
大丈夫ですか? 隠れ高血圧
50歳以上の日本人の「3人に1人は高血圧」といわれるこの時代。
実際には高血圧の診断を受け、降圧治療を行っている人は全体の57%にとどまり、また、治療を受けていてもそのおよそ半数は、高血圧の基準値の140/90mmHg未満にコントロールされていないとされています。
それを受け日本高血圧学会は、今年5年ぶりに高血圧の基準値を見直しました。75歳未満の成人は130/80mmHg未満を目標とするようにと10mmHg引き下げられました。日本高血圧学会によると、降圧目標を改定後の130/80mmHg未満に下げることにより脳卒中の発症リスクが22%、心筋梗塞や心不全といった心疾患の発症リスクが14%も下がることが明らかになったとしています。
まずは本来の自分の血圧を把握することが大切です。家庭血圧の測定は、朝と夜の2回測定します。朝は起床後1時間以内・朝食前・服薬前、夜は夕食前か就寝前がお勧めです。食事や飲酒、入浴後は通常の血圧よりも血圧が下がる傾向にあります。治療といっても、程度によっては、すぐに降圧剤の内服から開始するのではなく、生活習慣の改
善が重要です。運動療法は1日30分、週に4回程度のウオーキングがお勧めです。
食事療法は減塩が重要です。高血圧の方は、1日当たりの食塩摂取目標が6gです。WHO(世界保健機構)では、さらに厳しく1日5g未満に抑えることを推奨しているため、今後はさらに引き下げられる見込みです。現在、日本人の平均食塩摂取量は男性が11g、女性が9gといわれていますので、まだまだ頑張らなければいけません。
これから気温がますます下がり、忘年会新年会で外食も多く、また、運動不足にもなり高血圧には危険な時期です。
検診の時の血圧測定だけでは、隠れ高血圧は見つけられません。自宅で朝晩血圧測定し135/85mmHgを超えるようでしたら医療機関へ受診し適切なアドバイスを受けることが必要です。
そのだるさは ただの疲れのせいだけですか?
最近、はっきりとした原因がないのに、体が疲れやすいな、体のだるさが続くなと思う事はありませんか?
体内で甲状腺ホルモンが多くなったり少なくなったりすると、全身に様々な症状が現れ、原因のわからない体調不良や疲労感を来す事があります。気のせいだとか、ただの怠け者と誤解されている人も少なくないのです。
甲状腺の病気は20歳~50歳代の女性にたいへん多い病気で様々な症状が出現します。
甲状腺は、喉仏(のどぼとけ)のすぐ下にあり、蝶のような形をした臓器です。
正常の甲状腺はやわらかいので外から手で触ってもわかりませんが、腫れてくると手で触ることができます。甲状腺が腫れる場合は、何らかの甲状腺の病気を持っている可能性があるので、自分で触れてみる習慣をつけておくのが良いでしょう。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、活動するための必要なエネルギーを作り、快適な生活を送るためになくてはならないホルモンなのです。
甲状腺の病気は、
- 甲状腺ホルモンが多い状態
- 少ない状態
- 腫瘍やのう胞ができた状態
の主に三つに分けられます。
甲状腺ホルモンが増えすぎると、暑がり、汗が出て疲れやすい、イライラする、動悸・息切れがする、手足が震える、食欲が旺盛なのに体重が減る、などの症状が現れる事があります。
逆に甲状腺ホルモンが足りなくなると、寒がりで疲れやすく、無気力、声がかれる、皮膚の乾燥、動作が鈍くなり、むくみが出やすくなるなどの症状が出ます。
そのために、自律神経失調症、更年期障害、うつ病、あるいは心臓病、腎臓病、皮膚病などが疑われることがあります。
しかしきちんとした診断を受け適切な治療を続ける事で、見違えるほど元気になり、健康な人と同じように運動や仕事と何でもできるようにもなります。
甲状腺ホルモンは、簡単な採血で測定することができます。
気になる症状がある方は、一度甲状腺ホルモンのチェックを受けてみましょう。
シーラント処置について
紅葉の季節が始まり、食べ物も美味しい季節となってきました。
皆様がいつまでも健康な歯で美味しく食事ができることは歯科医にとっても大変嬉しいことです。
今回は子供の時から健康で丈夫な歯を育むための「シーラント処置について」お話したいと思います。
子供の永久歯は、できれば虫歯にしたくないですよね。
特に生えたての永久歯は注意していてもむし歯になりやすいものです。
その生えたての永久歯をむし歯から守ってくれるのがシーラントというものです。
「シーラント」は、歯を削らずに歯の溝をコーティングするものです。
とても予防効果が高いものなので、お子さんにはぜひ「シーラント」をやってあげたいものです。
「シーラント」の手順についてお伝えします。
①ブラシが回転する歯科医院専用の器械で歯の表面の汚れをキレイにします。
その際に歯石なども付着していれば落としていきます。
シーラントが歯に付着しやすくなるように専用の薬剤を塗り、10秒程時間をおいてから水で洗い流します。
風で歯を乾かして準備完了です。
②シーラントを歯の溝に流し込みます。
均一になるよう細い器具を使って丁寧に伸ばします。
③シーラントは専用の光が当たると固まる素材でできているので光で固めます。
④シーラントがしっかり溝に入ったかを確認して終了です。
むし歯予防には大変効果があるシーラントですが、何点か注意事項があるのでご説明します。
シーラントは歯の溝に流し込みますので、あまり強く噛んだり歯ぎしりをすると取れてしまうことがあります。
その場合はシーラントを再度行えば良いので心配はありません。
シーラントは歯の溝からできるむし歯を予防できますが、歯と歯ぐきの間などのむし歯の予防はできませんのでご注意ください。
シーラント処置は歯科医院で痛くなく行えるお子様のむし歯予防には有効な処置です。
かかりつけの歯科医院でご相談してみてください。
皮膚のしこり:粉瘤(ふんりゅう)
顔面、頚部、肩、背中などに日常よくできるできものとして粉瘤という皮膚の病気があります。
触ると少し弾力性のある皮膚の下のしこりで、大きさは直径0.5~5cmとさまざまです。
強く押すと粥(かゆ)状の臭い内容物が出てきます。
原因は毛穴がふさがって皮脂腺が袋状に膨らみ皮脂や角質などが詰まったためです。
炎症が起こって赤く腫れ上がった時には、まず腫れ上がった中心部をメスで切って排膿させ、痛みを治め、抗菌剤、消炎鎮痛剤を内服し、小さくして、しこりの部分を切り取ります。
炎症が生じてからでは治療に時間がかかりますから、しこりが炎症を起こす前に外科的にきれいに取り除きます。傷跡も目立ちません。
半端に中止すると、再発したときにより大きなしこりが出現することがありますので、特に顔面などでは炎症がないしこりの状態で治療を受けましょう。
ペットボトル症候群をご存知ですか?
ここ数日、湿度が高く暑い日が続いていますね。
こんな時、冷たい飲み物をたくさん飲みたくなります。 糖分の多い清涼飲料水を大量に飲み続けると「ペットボトル症候群(正式名称: ソフトドリンク・ケトーシス)」になることがあります。
血糖値を一定に保つホルモンのインスリンの働きが、一時的に低下してしまうことで起こる症状です。 意識がもうろうとしたり、倦怠感が続き、時には、昏睡状態に陥ることさえあります。
糖分の過剰摂取で血糖が急激に上がると、それを薄めようとしてさらに水分が欲しくて喉が渇き、尿の回数も増え、喉の渇きに任せてさらに甘い飲み物を飲む・・、という悪循環に陥ります。 一般的な清涼飲料水には、1リットル当たり100グラム前後の糖分が含まれています。
角砂糖1個が5グラムだとすると、1リットルの清涼飲料水をがぶ飲みすると、角砂糖20個をかじっているのと同じくらいに相当します。
身体にいいと思われているスポーツ飲料やフルーツ果汁の入った野菜ジュースにも糖分が含まれているため、例外ではありません。
夏場に中高生が部活動で水代わりに大量に清涼飲料水を飲んだりすることにも、十分に注意が必要です。 お茶・お水などの糖分の入っていない飲み物でこまめに水分補給をし、下痢・嘔吐後や大量に汗をかいたときなどは、スポーツ飲料を薄めて飲むこともいいでしょう。
糖尿病や糖尿病予備軍と呼ばれる人たちは、インスリンの働きが悪く、よりリスクが高まります。最近では、経口2型糖尿病治療薬としては、10年ぶりに新薬も発売され、糖尿病の治療の選択肢も増えています。 糖尿病は、早期に発見し、適切な対応や治療をすることで上手に付き合っていける病気です。
自覚症状がなくても、糖尿病の検査をしておくことが大切です。
特に、中年以降の方で急激に血糖が高くなった場合、膵がん、肝がんなどの悪性腫瘍が原因となっていることもあります。
また、2型糖尿病では、大腸がんの発生率が高いことも報告されています。
定期的な血糖の検査、そして血糖値が高いことを指摘されたときは、エコー検査やCT検査など、がんの検査もとても重要となります。
緑内障について
緑内障は、視神経の障害が進行し、視野が欠けていく目の病気ですが、様々なタイプがあります。
その一つが、突然発症して急激に視神経障害が進行する急性閉塞隅角緑内障(緑内障発作)です。
目を循環している水の通り道が完全に塞がれ、眼圧が急に普段の何倍にも増して、頭痛、眼痛、吐き気、嘔吐、霧視(霧がかかったように見える)、虹視症(光の周りに輪が見える)、視力低下、視野狭窄を生じます。
遠視の中~高齢女性に起きやすいと言われており、薬物や暗所が誘因となることもあります。
この発作が起きた場合には視神経が障害される前に早く治療を行うことが重要です。
強い頭痛を生じる病気には目の病気だけでなく、様々な病気が潜んでいますが、急いで治療が必要な病気も含まれますので、おかしいなと思ったら我慢せず、早めに病院を受診しましょう。









