口腔(こうくう)ケアについて
歯科2016/06/05
日本人に多い死因として、がん、心筋梗塞、脳卒中に次いで肺炎が挙げられます。
特に肺炎と気管支炎による死亡の9割は65歳以上の高齢者であるため肺炎は高齢者の健康管理にとって最も重要な課題です。
肺炎の中でも口の中の細菌などが肺に入って発症する誤嚥(ごえん)性肺炎の占める割合は高く、予防可能な疾患であるために口腔ケアは重要となります。
誤嚥性肺炎の原因として特に嫌気性菌が多く報告されます。
嫌気性菌は歯と歯茎の間の歯肉の部分に多く存在して歯周病が進行すると菌の増殖が認められます。
また舌の表面の舌背部にも繁殖するために歯のみだけではなく舌の汚れも取り除かなければなりません。
最近は訪問歯科治療もありますので寝たきりの方でも治療や口腔ケアが行えます。
気になる時は歯科医院に相談してみてくだい。
Text by
吉田歯科口腔外科 勝又 譲(
2016年6月5日 「北海道新聞みなみ風」掲載)