十代の女性へ
最近、函館市では十代の人工妊娠中絶が多い。北海道の十代の女性の性感染症が他県に比べて多い、という記事がありました。
日常の診療でも十代の女性の妊娠、性感染症の患者さんを診る事が増えてきているようです。
思春期には二次性徴が出現し、性の成熟が進み、異性への関心が高まり、接近欲求、性行動へとすすみます。雑誌、TV、インターネット等からの性情報の氾濫(はんらん)のなかで、十代の性に対する意識も大きく変わってきているようです。
性行動に至る理由も、「愛しているから」「好きだから」というのと同じくらいの割合で、「好奇心で」「遊びで」「ただ何となくということで」とアンケートに答えています。妊娠、性感染症の知識も不十分なようです。
婦人科医がここで言えることは、性行動には必ず妊娠と性感染症がつきものだということです。
望まぬ妊娠のために、人生設計を変えなければならなくなったり、性感染症のために妊娠できなくなったり、と相手の体や心を傷つけることのないように。正しい知識を身につけてください。
性感染症には、症状のすぐ現れる淋病、トリコモナス膣炎等と、症状が現れるまでに数カ月から十年もかかるもの、クラミジア頚管炎(けいかんえん)、エイズ等があります。何も症状が無いからと安心できません。予防法は簡単です。コンドームです。日本では決まった相手を持つ方のほうが、多数のパートナーを相手にしている人よりコンドームの使用率が高いという諸外国と正反対のアンケート結果があります。これでは性感染症が増えて当然かもしれません。
妊娠は月経が二十八日周期であれば、月経開始日より十四日目に妊娠。十日目より十五日目が危険日といわれていますが、十代の女性では周期が一定ではなく、遅れがちだったりすると、いつが危険でいつが安全なのかわかりづらく、常に避妊することが大事です。
最後に「コンドームが破れた」「レイプされた」時の緊急避妊としてモーニングアフターピルというものがあります。七十二時間以内に服用すれば高確率で妊娠を防ぐ事ができます。
婦人科医に相談してください。