ノロウイルス感染症
内科2016/02/08
例年この時期になりますと、インフルエンザやノロウイルスの発生がちまたで多くなります。
保育園や老人保健施設などで、ノロウイルスの感染に伴う罹患者の集団発生も報道されます。
症状は嘔吐(おうと)や下痢などであり、数日で治まるものですが、小児や高齢者では脱水や誤嚥(ごえん)による肺炎などを引き起こすこともあり、注意が必要です。
この時期に頻繁な嘔吐や下痢があるときは、まず、ノロウイルス感染を疑うことが肝要です。
吐物や排せつ物にはむやみに触れず、手袋やマスク、可能ならガウンを使用し感染の拡大を防ぐことが必要です。
ウイルスも変異してきており、感染力も変化してきております。
これがまた爆発的な流行の一因にもなります。
治療は、脱水を防ぐために点滴や補水液の飲用などを行い、整腸剤などでの対処になります。
下痢止めは病原性大腸菌感染などと同様に投与しないことが多いです。
トイレの便座、吐物や排泄物の消毒(次亜塩素酸ナトリウムの希釈液など使用)も大切です。
Text by
函館渡辺病院 太田 知明(
Array 「北海道新聞みなみ風」掲載)