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高齢で発症するてんかん

心療内科2015/10/26

 脳内の神経細胞の集まりが過剰な興奮を起こすことによって発作が起きる病気のことを「てんかん」と言います。
症状としては、ボーっとしたり、意識が無くなったり、筋肉が瞬間的にビクンビクンとなったり、けいれん(体が急に硬くなったり、ガクンガクンと震えたりします)が起きたりするのが主なものです。

 ところで、「てんかん」というと以前は子供の病気と考えられてきました。
発症する年齢は若い方が多く、おおむね年齢を重ねるにつれて発症率は低下するものだと考えられていたわけです。
しかし、最近ではてんかんの発症率は高齢者の方が高いということが分かっています。
そして、症状の特徴の一つとして、あまり典型的でない場合が多く見られるということがあります。
つまり、比較的けいれんが少なく、意識のくもりや物忘れ、不注意が目立ったりするということです。
また、幻覚、妄想や抑うつなどの精神的な変調のために受診したりして、他の病気との見分けが難しいことがあります。

 原因としては、例えば脳血管障害が30~50%で一番多く、その次に多いのがアルツハイマー型認知症などの変性認知症、頭部外傷などであり、30%程度は原因不明といわれています。
ただし、身体的な問題によってけいれん発作が生じることがありますが、そのような場合には状態が良くなればその後は発作の治療は必要がなくなります。
身体的な問題とは、発熱や感染症、高血圧、低血糖や高血糖、血中ナトリウム、低カルシウムなどの電解質の異常などです。
また、さまざまな薬の影響で発作が起こることもあり得ます。
治療薬については、抗てんかん剤が使われますが、他の薬との併用になるべく影響のない薬を選ぶことになります。

 今後高齢者はますます増加しますので、てんかんの発症もそれにつれてさらに多くなることが予想されます。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2015年10月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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