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若いときから卵巣を大切にする

産科婦人科2008/08/13

 思春期を迎えると、脳にある性腺が働きはじめ、卵巣から女性ホルモンが分泌されるようになり、月経が始まります。そして、元気な赤ちゃんを授かるためには、卵巣がきちんと働いて、卵子を十分に成熟させないといけません。卵子は赤ちゃんの基だからです。

 ところが、やせ願望から無理なダイエットをすると、卵巣に届く栄養や酸素量が減り、卵巣は老化してしまいます。極端な場合には、数カ月のダイエットで卵巣年齢が五十代まで老化してしまうことさえあります。

 ダイエットだけではありません。喫煙も卵巣の働きを低下させます。タバコに含まれる有害物質が卵子の成熟を妨げるのです。冷えも厳禁です。冷えは漢方では「淤血(おけつ)」といって、体内の血液循環が滞ることをいいます。冷えが強いと卵巣への血行が悪くなり、卵巣のエイジング(老化)を加速させてしまいます。

 さらにいえば、性体験にも注意が必要です。パートナーからクラミジア感染症を移されると、女性は自覚症状がほとんどないために、感染に気づかないまま卵管に感染が広がり、不妊症の原因になります。

 「妊娠したい」と思ったときに妊娠できるためには、若いころから卵巣を大切にする生活習慣を心がけることです。とくに以下のことに十分に注意したいものです。

  • 健康な体の基本は食事です。栄養バランスのよい食事を一日三食、きちんと食べましょう。自己流のダイエットはいけません。
  • 薄着でおなかを冷やすのはいけません。卵巣と子宮がある下腹部は温めることです。
  • シャワーを控え、湯船への入浴で体を温めます。とくに寒い冬の朝にシャワーを浴びたり、シャンプーをするのは控えることです。
  • タバコはやめましょう。家族の喫煙も間接喫煙によって、女性の卵巣機能を低下させます。家族みんなで禁煙したいものです。
  • 性体験のある女性は、ぜひ、婦人科で定期健診を受け、健康を確かめましょう。

Text by 美馬産婦人科 美馬 博史(  「」掲載)

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