発熱~生体防御の大事な武器~
耳鼻咽喉科2015/02/16
以前は発熱したら薬で下げるというのが一般的でしたが、最近では安易に熱を下げない方が良いとされています。
なぜなら発熱自体が体を守る大事な武器だからです。
人間の体にウイルスや細菌が侵入すると免疫細胞が発熱を促す物質を出して発熱が起こります。
体温を高くすることで病原体の活動を弱め、免疫を担当する細胞が活発に活動できるようになります。
ここで、薬で熱を下げすぎてしまうと防御反応がうまく働かなくなりますので感染症が長びく結果を招くことになります。
体温計の数値で機械的に熱を下げることは最も良くない方法です。
熱冷ましは患者さんの状態を見てぎりぎりまで使わないのが賢い方法です。
比較的元気な方の発熱は高熱であっても心配要りません。
ただし、発熱時は脱水状態になりがちですので小まめに水分補給をするように心掛けて下さい。
Text by
治耳鼻咽喉科 山口 治浩(
2015年2月16日 「北海道新聞みなみ風」掲載)