お酒を飲まなくても起こる脂肪性肝炎 ~NASH~
内科2015/01/19
最近、食生活の欧米化で急増する脂肪肝、かつてはアルコール(飲酒)が主な原因と考えられていました。
しかし、お酒を飲まない人の脂肪肝から発症する肝炎は「NASH」と呼ばれ、将来、肝硬変、肝がんへ進展する危険性があることが分かってきました。
検診で肝機能障害があっても、腹部エコーで脂肪肝を指摘されても、自覚症状がないため放置するケースが多くあります。
軽度の脂肪がたまっているだけであれば、放置していても肝臓に悪影響はありませんが、重度だと脂肪肝に刺激が加わり、脂肪性肝炎「NASH」となることがあるのです。
NASH予防の原則は、脂肪肝からNASHへの進展を食い止めること。
肥満や脂肪肝と診断されたら、食生活の改善や運動で体重を落とすことが重要です。
3kgの減量で、肝機能の改善が見込まれます。
1~2カ月で1kgを目安にすると良いでしょう。肝臓は「沈黙の臓器」で、再生能力が高いため、自覚症状が出たときは病状が悪化していることが多くあります。
定期的な検査で、脂肪肝を疑われたら、まずは生活改善を心掛け、状態の改善が無ければ精密検査が必要です。
Text by
鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(
2015年1月19日 「北海道新聞みなみ風」掲載)