C型肝炎が、飲み薬で治る可能性があるって本当ですか?
はい、本当です。
今年の9月より、ダクラタスビル、アスナプレビルという2種類の薬が発売されました。
それぞれC型肝炎ウイルスに直接働き、ウイルスの複製・増殖を阻止する薬剤です。
この2種類を併用し24週飲むことで80~90%(※1)の方がウイルス学的に治癒しているという画期的な薬剤です。
しかしながらC型肝炎の患者さん全員にはまだ使えません。
使用できるのは、ウイルスのタイプがセログループ1(ジェノタイプ1)型で、C型慢性肝炎・C型肝硬変(代償期)の患者さんだけです。
そのなかで対象者は、
①インターフェロン治療ができない人(貧血・血小板減少症・うつ病・高齢など)
②インターフェロン治療を行ったが副作用で治療を中止した人
③インターフェロン治療を行ったけど効果不十分でウイルスが消えなかった人です。
副作用については、使用した患者さんは、インターフェロン治療より非常に楽だったと話されています(風邪症状、頭痛、肝機能異常、発熱等がありますが、インターフェロン治療よりはるかに副作用は少なく弱いものです)。
また、87%(※1)の患者さんが治療を中止することなく完遂できています。
ただし、弱点もあります。
治療前のC型肝炎ウイルスに変異があると効果が半減することが分かっています。また、インターフェロン治療と同様に高価な治療であるため、国からの補助があります(ウイルス肝炎インターフェロンフリー治療の申請が通れば、1か月の治療費の総額が1~2万円で収まります)。
また、今後さらに新しい薬の開発も行われており、期待されております。
ただし、現状肝機能障害が進行している患者さんで今回の条件に合わない方は、現在のインターフェロン・リバビリン・シメプレビルの3剤併用療法で90%(※1)近い効果がありますので、やみくもに新薬を待つのではなく、インターフェロン治療を受けることをお勧めします。
(※1)日本肝臓学会2014年9月ガイドラインより抜粋