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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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白内障って再発するの?

眼科2008/08/13

 「せっかく白内障の手術をして視力が回復したのに、また見えなくなってきた」という声をよく耳にします。別の病気にかかったために視力が悪くなるケースもありますが、よくあるのは後発(こうはつ)白内障による視力低下です。

 聞き慣れない方が多いと思いますが、後発白内障は、白内障手術の時に眼内レンズを入れるために残しておいた水晶体(すいしょうたい)の袋に、術後濁(にご)りが生ずることが原因で発生します。これは、白内障手術を行った人の5~30%で、視力に影響が出るほどに進行します。

 しかし治療は簡単で、レーザーで濁りを取ることができます。外来で短時間で行うことができ、入院は全く必要ありません。

 白内障術後で、また以前のように見づらくなったと感じている方は、もう一度眼科を受診してみてはいかがでしょうか。


Text by 江口眼科病院 森 洋斉(  「」掲載)

外用剤は正しく塗りましょう

皮膚科2016/08/22

 日常の診療で外用剤の塗り方をできるだけ説明するよう心掛けていますが、うまく伝わっていないことがあります。
今回は、外用法で注意する点について説明します。

①回数:指導された回数を守りましょう。多く外用すれば薬の副作用が、少なければ効果が出ないことがあります。
②部位:場所によって薬の吸収が違います。顔、高齢者、乳幼児の皮膚は薄く、薬の副作用が出やすいので、他の場所に処方された薬を塗ってはいけません。
③量:薬の副作用をおそれて薄く塗れば、効果が出にくくなります。
④用途:処方された薬を、他の発疹に塗ったり、他の人にあげてはいけません。薬によっては効果がないばかりか、発疹が悪化してしまうこともあります。

 どんな薬も、もろ刃の剣です。副作用が出ないよう上手に使って、早く治しましょう。


Text by うめき皮膚科 梅木 薫( 2016年8月22日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

ドライアイ

眼科2012/10/31

 まばたきをしないで10秒間、目をあけていられますか?
できなければドライアイかもしれません。

 目の表面はいつも涙でおおわれていなければなりません。
なぜなら涙はただの水ではなく、目に必要な栄養や、外界の雑菌をやっつける成分を含んでいて、目にとって大変重要な役割を果たしているからです。
ドライアイとは、この大切な涙の産生が不足して、または、涙に含まれる成分が変化することにより眼表面での分布が不安定になり、どんどん蒸発した結果、目の表面がただれている状態のことをいいます。

【ドライアイの原因】
 年齢を重ねると涙を作りだす涙腺の機能が低下し、分泌量が減少することがあります。
また、涙の成分構成が変化して蒸発が速まる場合があります。
現代はドライアイになりやすい環境がそろっています。
集中してPCやゲーム機のモニターを見ることでまばたきの頻度が低下します。
今年は例年に無い残暑でしたが、職場や車のなかではエアコンが効いていて、体は快適でも目には過酷な環境となっています。
血圧を下げる薬や、精神疾患薬のなかには涙の分泌を減少させるものがあります。
目薬にも目の表面をただれさせるものがあり、特に緑内障の薬を使用している場合は定期的な観察が必要です。
 膠原病や関節リウマチなどの全身疾患ではドライアイを併発することがあります。

【ドライアイの治療】
 人工涙液とよばれる涙の成分に近い点眼薬や、目の表面を保護するヒアルロン酸ナトリウム点眼薬がよく使われます。
また最近、眼表面での涙液の安定性を高める点眼薬も使われ始めました。
 涙点プラグ挿入術は、涙が鼻の奥に流れ出ていかないよう、涙の排水口にふたをする治療法です。
少ない涙液分泌量でも貯留量を増やすことができ、ドライアイの状態を改善させることができます。
点眼薬は作用が強い弱いではなく、どれが最も効果的かということが一番重要です。
我々眼科医は、一度の処方ですぐに決めるのではなく、眼所見の変化をみながら薬を取捨選択し、決定していきます。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2012年11月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

不妊治療ではカウンセリング療法が有効なケースがあります

産科婦人科2008/08/13

 お子さんができにくい不妊症の女性は、強い精神的ストレスを抱えがちです。赤ちゃんに恵まれないのが最大の悩みであり、ストレスですが、さらに追い討ちをかけるのが周囲のプレッシャーです。

 同じ年頃の女友達が次々妊娠した、自分より後に結婚した妹夫婦にコウノトリがやってきた、義妹も妊娠して姑が「あなたのところはまだ?」と聞いてくる・・・。

 困ったことにこのような悩みやストレスは、女性の体をより妊娠しにくい体にしてしまいます。女性の卵子と男性の精子が出会い、受精するのが妊娠の第一歩ですが、その卵子を排卵させるホルモンの働きを乱し、排卵障害を進行させるからです。何故なら、排卵をコントロールするホルモンの中枢は精神的ストレスの受け皿のすぐ隣にあって、心の悩みやストレスの影響を受けやすいのです。

 こうした排卵障害にはホルモン療法と合わせたカウンセリング療法が有効です。主治医に心の悩みを吐き出し、受け入れてもらうと心が軽くなり、ホルモン環境も整うことが多いのです。テレビに赤ちゃんが映るとポロポロ涙ぐむ、月経がきて今度も妊娠できなかったとわかるとヒステリーが起きる、赤ちゃんのいる友人夫婦は顔も見たくないなど、心の症状がある場合は、ぜひ早めにカウンセリング療法を受けるようにお勧めします。

 男性も精神的ストレスの影響を受け、性欲減退によるセックスレスや心因性のED(勃起障害)などが起こってきます。とくに、仕事や職場の人間関係などで強いストレスを感じている男性の場合は、これらの症状に悩まされがちです。赤ちゃんを作る最初の段階でつまずいてしまうのは困りものですが、治療にはカウンセリング療法と併せて、EDの治療薬(バイアグラ)の服用が有効です。

 最近は、心の問題を重視してカウンセリング療法を積極的に行う不妊治療施設が増えています。積極的に相談するといいでしょう。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史(  「」掲載)

涙道(るいどう)内視鏡を用いた流涙症(りゅうるいしょう)治療

眼科2012/11/26

 「悲しくもないのに涙が出て止まらない」「いつもハンカチで涙をふかなければいけない」こんな悩みをもっている方けっこういらっしゃいますよね! この様な症状は涙道(涙の排出路)がつまってしまっている可能性が高いのです。
いわゆる涙道閉塞という病気です。

 人間の眼の内側には涙点という涙の流れる口が上下に2箇所あります。
涙はここから2本の管を通り涙嚢(るいのう)という袋に入り、鼻の奥へと流れて行くのですが、このどこかに閉塞している場所があると鼻の方に流れて行かなくなり眼の外にこぼれ出るため、常に泣いているように涙があふれてくるのです。

 涙道閉塞の治療は目薬では直す事が出来ず、今までは「ブジー」と呼ばれる先の丸い金属棒を使って閉塞部を突き再開通させ、チューブを挿入し治療していました。

 この方法で治らないケースの場合には鼻の骨を削って小さな穴をあけて、鼻の粘膜と涙嚢の粘膜をつなぐ手術を行うという方法も行われていました。

 近年、『涙道内視鏡』を用いた新しい流涙症の治療が行われるようになりました。
この治療は、涙点から挿入した小さなカメラで涙道の内腔を直接観察しながら、つまっている部分を開放し、柔らかいチューブを挿入し留置しておく方法です。
麻酔は涙点から麻酔液を注入し、鼻の中にも麻酔液を浸した綿を詰めます。
手術後は2週間に1回洗浄の為に通院が必要で、留置したチューブは約2ケ月後に抜去します。
この治療が普及してきたお蔭で、骨を削ったり、顔の皮膚を切ったりすることなくなりました。

 涙が多いというのは毎日が不快なものです。
「治療しなくても我慢すればすむ事」とあきらめてしまう前に『涙道内視鏡』による治療という方法もあります。


Text by 吉田眼科病院 佐藤 浩介( 2012年11月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

前立腺がんについて

泌尿器科2017/05/30

 皆さんの周りで「隣の旦那さんが前立腺がんになったんだよ」「前立腺がんの検査に引っかかってしまったよ」という言葉を聞きませんか?前立腺がんってなに?そもそも前立腺ってなに?何の機能を果たしているの?
 前立腺は精液の一部を作る臓器で生殖に非常に大切な臓器です。しかし、生命を維持する臓器ではありません。じゃあ、命に関わる臓器でないのならほっといてもいいのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、前立腺がんが原因で亡くなる方のほとんどが転移(リンパ節、他の臓器、骨の転移)によるものです。
 世界を見渡すと前立腺がんは、欧米諸国では男性がんの中で大変多いがんとして知られており、アメリカでは男性がんの中で罹患率(病気にかかる比率)は1位、死亡率は肺がんに次いで2位というがんです。
 近年、日本でも急激に増加してきています。1975年の前立腺がん患者は2000人程度でしたが、2000年には約23000人と急速に増加し、2020年には78000人以上となり、肺がんに次いで罹患数の第2位になると予測されています。平成17年度の厚生労働省の調査時点で、男性がんの中で患者数はすでに第1位となっておりました。前立腺がん死亡数も増え続
けており、2008年時点では約1万人、2020年には2000年の約3倍になると予測されています。
 前立腺がんの検診には採血(PSA:前立腺特異抗原)が行われています。高いからといってがんが確定した訳ではありませんので、専門医に相談下さい。近年前立腺がんの治療も進歩しております。手術、放射線治療、薬物療法に大別されますが、より低侵襲、よりがんが確実にコントロールできるようになっております。早期発見が前提での選択肢の幅なので、まず50歳を過ぎたら一度は前立腺検診を受けられることをおすすめします。


Text by むとう日吉が丘クリニック 武藤 雅俊(  「函楽2017年1月号」掲載)

血液内科をご存知でしょうか?

内科2014/04/15

 馴染みの少ない診療科目ですが、1番よく耳にする「貧血」についてのお話を伺いました。

 症状としては動悸、息切れ、めまいなどが一般的ですが、それ以外にも舌の痛み、知覚異常、歩行障害、異食、不眠、食欲不振といった一見貧血症状とは違う形で現れることもあります。

 貧血の原因により症状も異なります。鉄不足による鉄欠乏性貧血の他にもビタミン不足による悪性貧血、造血障害による再生不良性貧血などです。
悪性貧血は胃の術後菜食主義、アルコール多飲の人に起きる可能性があります。
貧血=鉄不足という訳はでなく、原因は多種多様であり、その原因を見極めて治療することが重要です。
また、貧血が良くなっても、その原因改善のための長期的な治療が必要な場合もあります。
逆に漫然とした治療の継続により、内蔵に負担をかける場合もあるため定期的な診察が必要になります。
また、単なる貧血だけでなく、血液悪性疾患が隠れていることもあります。
その場合は貧血だけでなく正常な免疫力が低下し、感染症状を繰り返すようになります。血液疾患を疑う具体的な症状として
①ぶつけた覚えがないのに身体にいくつもあざができる
②歯肉の出血が止まらない
③毎日のように鼻血がでる
④首のまわり、脇の下、鼠径部に腫れものができだんだん大きくなる
⑤検診などで白血球数、赤血球数、血小板数の異常を指摘された
⑥身体のタンパク質が多いと言われたなど
が挙げられます。
血液疾患をはっきりした自覚症状がない場合も多いので、思い当たる事があれば迷わず血液内科を受診することをおすすめしたいと伊達院長。
『飯田内科クリニックいしかわ』では血液専門治療の一方で在宅療養支援診療所として24時間365日の往診体制を実施しています。
併設しているデイケア・ショートステイでは医療依存度の高い人の利用もあるようです。

 本稿は本紙記者が『医療法人社団善智寿会飯田内科クリニックいしかわ』に取材し執筆しました。


Text by 飯田内科クリニックいしかわ 伊達 基( 2014年4月15日 「青いぽすと」掲載)

歯周病を進行させる喫煙、糖尿病

歯科2010/09/09

 歯周病は無自覚のまま進行し、「歯がグラグラしてきた」「歯茎が腫れて、臭いがする」といった症状が出るまで放置しがちです。
気付いた時には抜歯となり、これからはしっかり歯を磨かなければと思った方も多いと思います。
歯を歯周病から守るために歯周病の原因である歯垢を除去する必要がありますが、他にも歯周病を悪化させるものがあります。
今回はその原因として喫煙と糖尿病を取り上げたいと思います。 歯周病を進行させる原因で、後天的なものは喫煙、糖尿病、骨粗鬆症などがあげられていますが、とりわけ科学的に因果関係が深いデータが多いのは喫煙と糖尿病になると思います。 喫煙者の歯茎は見た目に歯周病の進行が分かりにくいことが多いのですが、ニコチンが好中球、単球、リンパ球といった体を守る細胞に影響を与え、歯周病を進行させます。
また、一部の歯周病菌をも増加させるともいわれています。 糖尿病の方も喫煙と同じく、好中球、単球などに作用し歯周病を悪化させますが、一方で糖尿病により血管が変性することで歯周病から守るシステムが妨げられます。 逆に、歯周病が糖尿病を悪化させることも分かってきました。
糖尿病を増悪させるメカニズムの一つに、肥大した脂肪細胞から産生されるTNF-α(腫瘍壊死因子α)がインスリン抵抗性を起こすことがあります。
歯周ポケット内で歯周病菌から出される内毒素に反応した体内の免疫細胞からもこのTNF-αが産生されることが分かっており、歯周病が糖尿病悪化に加担しているといわれています。 喫煙による害は歯周病悪化だけでなく肺がん、動脈硬化、心筋梗塞などの原因であり、禁煙が求められ、また糖尿病はリスクを避ける意味で早期にしっかりした歯周病治療が必要です。


Text by 北斗歯科クリニック 土永浩史( 2010年8月20日 「青いぽすと」掲載)

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と狭心症

内科2008/08/13

 近年、肥満の方がどんどん増えています。脂質を大量に含んだ食事を摂る方が増えているためと考えられます。

 肥満は生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症)の悪化に直結していますが、最近は、メタボリックシンドロームの主要な因子と考えられ注目されています。

 メタボリックシンドローム(以下MS)は高コレステロール血症に次ぐ心血管疾患予防ターゲットといわれ、一人の人に高血糖・インスリン抵抗性・高中性脂肪血症・高血圧など、動脈硬化の危険因子が集積する動脈硬化性疾患発症のリスクの高くなる病態と考えられています。MSはおなかにたまった脂肪(内臓脂肪)がアディポサイトカインの分泌異常をひきおこし、糖尿病や高脂血症、さらに高血圧を悪化させ動脈硬化を進展させるといわれており、端野(たんの)、壮瞥(そうべつ)両町での疫学研究ではMSの人はそうでない人に比べ、1.8倍心血管病の発症率が高いということがわかっています。

 2005年4月に発表されたMSの診断基準では必須項目として腹部肥満(ウェスト径男性85cm以上、女性90cm以上)があげられており、そのほかに、高中性脂肪血症(150mg/dl以上)低HDLコレステロール血症(40mg/dl未満)、血圧130/85mmHg以上、空腹時血糖110mg/dl以上の項目のうち、二項目以上満たすものをMSとしています。

 MSでひきおこされる心血管系の合併症で代表的なものに、狭心症と心筋梗塞(こうそく)があります。特に狭心症は動脈硬化が徐々に進展し心臓の血管(冠動脈)がだんだん細くなることにより、労作に伴う胸痛がでてきます。放置すると心筋梗塞や心不全につながります。さらに糖尿病のあるかたでは、神経障害により重症の狭心症でも痛みが弱く、病気を見過ごす可能性も指摘されています。

 従来、狭心症の診断は心臓カテーテル検査で直接血管の狭窄(きょうさく)を検出することが必要でしたが、最近は高機能のCT(64列CT)が開発され、カテーテル検査をしなくても冠動脈狭窄がわかるようになりました。CT検査は造影剤を使いますが、一五分程度寝ているだけで終わりますので、非常に体の負担が少なくなっています。狭窄がわかるだけでなく狭心症でステント植込術を受けた方もステント部の再狭窄があるかどうか判定できますので、とても有用な検査といえます。ただし治療に関しては従来のカテーテル法が必要となりますので入院が必要になることにはかわりありません。

 自分は狭心症ではないかなと感じていらっしゃる方は是非早めに、お近くの循環器専門医にご相談ください。


Text by 北美原クリニック 遠藤 明太(  「」掲載)

眼瞼下垂(がんけんかすい)について

眼科2009/02/20

 眼瞼下垂とは目をあけても上まぶたが十分に開かない状態のことをいいます。眼瞼下垂があると、視覚の発達期にある小児では弱視、斜視、屈折異常の発生に関係し、高齢化社会の今日しばしばみられるようになった加齢性眼瞼下垂も、高度になると日常生活に不便を来たし生活の質を低下させます。

 眼瞼下垂は生まれつきまぶたをあげる機能が弱い先天性眼瞼下垂と、後天的な要因で生じる後天性眼瞼下垂に分かれます。

 先天性眼瞼下垂では、まぶたを上げる筋肉[上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)]の力がかなり弱いか、上眼瞼挙筋が欠損しているため十分にまぶたが上がらなくなっています。

 後天性眼瞼下垂症には、腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)、神経原性眼瞼下垂(しんけいげんせいがんけんかすい)、筋原性眼瞼下垂(きんげんせいがんけんかすい)、腫瘍性病変によるものなどがあります。まぶたを上げる神経の障害(動眼神経麻痺や脳梗塞後遺症など)、筋肉自体がこわれてしまう病気(筋緊張性ジストロフィーや重症筋無力症など)では原疾患の治療にて改善が期待できることもありますが、薬物治療などで改善が認められない場合には患者さんの状態に応じて手術を行うことがあります。

 後天性眼瞼下垂のなかで腱膜性眼瞼下垂は、加齢や化粧、アレルギー性結膜炎、コンタクトレンズの長期間使用などでまぶたがこすれることにより、まぶたの板[瞼板(けんばん)]とまぶたを上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の間をつないでいるすじ(腱膜)が瞼板からはずれてゆるんでしまうことにより生じます。この結果、まぶたを開けようとして上眼瞼挙筋が収縮しても、その力が十分に瞼板に伝わらなくなるため眼瞼下垂になります。この症状があると、これを補うために眼瞼挙筋に付随している筋肉(ミュラー筋)を収縮させてまぶたを開けることになります。ミュラー筋が収縮するためには自律神経の交感神経が緊張する必要があり、交感神経が常に緊張していると頭痛や肩こり、手足の冷え性、不眠などを生じることがあります。治療はゆるんではずれてしまった腱膜を瞼板にとめなおす手術を行います。

 また、まぶたが開けにくい患者さんの中には、まぶたが痙攣をする病気(眼瞼痙攣)を伴っていることがあり、治療は痙攣を抑える作用をもつ薬をまぶたの筋肉に注射します。

 このように眼瞼下垂には原因がさまざまあるので、治療法もさまざまです。まずは眼科医を受診して眼瞼下垂の原因を見つけることが先決です。脳動脈瘤など他の病気の影響だったり予兆だったりする場合はこちらの治療が優先となります。医師に相談し原因を見つけて適切な治療を受けましょう。


Text by 藤原眼科 藤原 慎太郎(  「」掲載)

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