不妊治療ではカウンセリング療法が有効なケースがあります
お子さんができにくい不妊症の女性は、強い精神的ストレスを抱えがちです。赤ちゃんに恵まれないのが最大の悩みであり、ストレスですが、さらに追い討ちをかけるのが周囲のプレッシャーです。
同じ年頃の女友達が次々妊娠した、自分より後に結婚した妹夫婦にコウノトリがやってきた、義妹も妊娠して姑が「あなたのところはまだ?」と聞いてくる・・・。
困ったことにこのような悩みやストレスは、女性の体をより妊娠しにくい体にしてしまいます。女性の卵子と男性の精子が出会い、受精するのが妊娠の第一歩ですが、その卵子を排卵させるホルモンの働きを乱し、排卵障害を進行させるからです。何故なら、排卵をコントロールするホルモンの中枢は精神的ストレスの受け皿のすぐ隣にあって、心の悩みやストレスの影響を受けやすいのです。
こうした排卵障害にはホルモン療法と合わせたカウンセリング療法が有効です。主治医に心の悩みを吐き出し、受け入れてもらうと心が軽くなり、ホルモン環境も整うことが多いのです。テレビに赤ちゃんが映るとポロポロ涙ぐむ、月経がきて今度も妊娠できなかったとわかるとヒステリーが起きる、赤ちゃんのいる友人夫婦は顔も見たくないなど、心の症状がある場合は、ぜひ早めにカウンセリング療法を受けるようにお勧めします。
男性も精神的ストレスの影響を受け、性欲減退によるセックスレスや心因性のED(勃起障害)などが起こってきます。とくに、仕事や職場の人間関係などで強いストレスを感じている男性の場合は、これらの症状に悩まされがちです。赤ちゃんを作る最初の段階でつまずいてしまうのは困りものですが、治療にはカウンセリング療法と併せて、EDの治療薬(バイアグラ)の服用が有効です。
最近は、心の問題を重視してカウンセリング療法を積極的に行う不妊治療施設が増えています。積極的に相談するといいでしょう。