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イボのはなし

皮膚科2014/06/30

 皮膚科の診療をしているとイボに悩まされている方が多く来院されます。
皆さんの身近にもいらっしゃいませんか?

 イボには他の部分や他の人にうつるウィルス性のイボと、年齢や紫外線の影響でだんだんに増えてくる種類のイボがあります。
イボは医学用語では疣贅(ゆうぜい)といい、ウィルス性のイボには手足の関節部分や末端によくできる盛り上がっていて少し硬いイボ(尋常性疣贅)や直径1~2ミリの子供に多くでき、潰すと白い塊がでてくるミズイボ(伝染性軟属腫)、手の甲や顔面に多発する扁平性疣贅などがあります。
これらは公衆浴場やプールなど、多くの方が行き交う所で感染します。

 治療には古くからある漢方薬のハトムギまたはヨクイニンなどが用いられますが、イボが増え続けるときや薬を服用しても治りにくいときは皮膚科を受診してください。
尋常性疣贅や扁平性疣贅では少し痛みはありますが液体窒素(ー196℃)で凍結させる方法が一般的です。
通常一度では治りませんが、1週間から10日に1度位通院して治療すると段々に改善します。
足の裏など硬いところにできるイボは治りにくく、皮膚を柔らかくする専用の絆創膏を併用する場合もあります。
またミズイボは免疫が出来ると自然によくなるので、それまで待つ方もいますが、ご希望の方は専用の器具を使い内容を圧出します。
小さなお子様など、治療が苦手な方には痛み止めテープを使用してから行うこともあります。
ただ、全部取り除いたとしても、その時点で完治ではなく、免疫ができるまでは繰り返すことが多いです。
免疫が出来るまでは待たないといけません。
ウィルス性のイボは痛みや痒みがなく、命にかかわる病気でもありませんが、放置すると増えてきたり他人にうつったりします。
またウオノメやタコと間違えてほじくったりすると、広がってきたり、傷口から皮膚表面にいる細菌が入って二次感染をおこす心配もありますのでご注意ください。


Text by みなとまち皮膚科菊地医院 菊地 誠一( 2014年7月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

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