血圧測定の方法と歴史も
現在の日本では、全国の約3,800万人が高血圧と考えられます。
高血圧は動脈硬化を進める一番の要因です。
硬くなった血管の流れが悪くなった結果、血が回らなくなって、脳梗塞で半身麻痺したり、心筋梗塞で突然死したりする性質の悪い病気の入り口と言えます。
ところで、「血圧ってなんだろう」と改めて考えるとあいまいなところがありませんか?
つまり、測定の仕方、時間、測定の前に歩いていたか安静にしていたか、前日の夜によく眠れたか、そんなことでいつも違う数値がでる。
「家にある血圧計で測っても、いつも違う値が出て信用できない」と思ったことはないでしょうか?
エジプト時代の人は血圧なんて言葉は知りませんでした。
そもそも、心臓から血液が押し出されて全身を循環して流れて行くのは、解剖しているうちに心臓が止まってしまうのだから、見た人はいないはずです。
最初に気がついた人は偉いのですが、なかなか信じてもらえなかっただろうと思います。
世界で初めて血圧を測定したのは1733年のイギリス人生理学者です。
馬の首の動脈にガラス管を突っ込んで、血液が高く管の中を上がっていく高さを測定したのが血圧の始まりです。
1896年にイタリアで水銀血圧計が作られ、1906年にロシアのコロトコフが聴診法を発見しました。
今と同じ測り方です。
160年かかって血圧が痛い思いをせずに測れるようになりました。
さらに110年経った今、家庭用の血圧計はさまざまなタイプが店に並んでいます(家庭用の器械は日本人が作りました)。
でも注意してください。
血圧は血管をつぶす力を測って、動脈の中の圧力を間接的に予想しているのです。
血管を刺して測った値より少し低い、だいたいの値なのです。
上腕で測って、やっとその程度の正確さなので、手首や指先で正確に測定するのは無理です。
だから、血圧計は上腕で測定するものを使ってください。
多少の幅のなかで正確な血圧が測れると思います。
「130/80以下に出ることが多い」なら、だいたい良いなと思って結構です。