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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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巻き爪(まきづめ)、陥入爪(かんにゅうづめ)

皮膚科2012/11/30

 爪が皮膚に食い込んで痛くなったことはありませんか?

今回は陥入爪(かんにゅうづめ)のお話です。

 長い時間歩いたり、きつい靴をはいたりして、足の親指などが痛くなってきた。
靴をぬいで見てみると爪の角の部分が皮膚に食い込んで赤く腫れている。
こんな時どうしますか?

 爪切りで食い込んだ爪を切ると、痛みは解消するかもしれません。
でも、ちょっと待ってください! 足の指は、常に下からの力を受けているので、深く爪を切ると指先の肉が盛り上がり、爪の切り口が指の先端に刺さってしまうのです。
痛む→食い込んだ爪を切る→切った部分の指の皮膚が盛り上がる→爪に食い込む→痛む→爪を切る・・・という繰り返しで、次第にこじれてしまい、皮膚に爪が深く食い込み、自分では切れなくなってしまうのです。

 そこで、爪を切らずに痛みを取るための簡単な応急手当てをご紹介します。
まず、粘着性の強めなばんそうこうを用意して、幅1センチ、長さ5センチ位に切ります。
次に、ばんそうこうの端を爪が食い込んでいる部分の真横の皮膚に貼り、爪と皮膚を離す方向に引っ張りながら指に巻き付けるように貼っていきます(このとき強く引っ張り過ぎると指の血のめぐりが悪くなることがあるので注意が必要です)。
この手当てによって、爪と皮膚の間に隙間ができて、食い込みがゆるやかになり、痛みも解消されます。

 しかし、それでも痛みや腫れが取れない場合は医療機関を受診してください。
細菌感染を起こしていて、抗生物質が必要な場合があるからです。
以前は手術的な治療が主流でしたが、最近では人工爪やシリコンチューブを用いた、手術によらない方法でよくなる方も増えてきています。

 また爪自体が屈曲している、いわゆる巻き爪(まきづめ)の場合は特殊なワイヤーを用いて形を整える方法もあり、これも手当ての際に痛みを伴いません。

 怖がらずに、お早めに御相談ください。


Text by みなとまち皮膚科菊地医院 菊地 誠一( 2012年11月30日 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

お口の中をセルフチェック!

歯科2020/04/27

 口腔癌(がん)は舌や歯肉などにできる癌で、口の中のどこにでも生じる癌です。口腔癌の罹患率は全癌の約1%を占めると考えられており、その発生率は低いものです。しかし人口の高齢化に伴い、口腔癌の患者数は増加しつつあります。口腔癌の治療は外科的切除、化学療法、放射線療法、化学放射線療法などがあり、患者さんの状態に合わせた治療法を選択していきます。初期の口腔癌ですと高い治療効果が期待できますが、病気が進行してしまうと治療後の機能障害が大きくなりQOLを低下させてしまうことがあります。

 口腔癌には前癌病変という病態を経過して癌になるものがあります。前癌病変とは「正常な組織に比べて明らかに癌が発生しやすい形態的な変化を伴う組織」と定義され、臨床的に白板症と紅板症があります。白板症はこすっても剥がれない白色病変で、紅板症は燃えているような赤色斑をした病変です。白板症は3~16%、紅板症は約50%が癌化すると報告されています。白板症はその形態や生じた部位によって外科的切除となりますが、経過観察となる場合もあります。一方、紅板症の場合は外科的切除が一般的です。口腔癌の予防には、この前癌病変の段階で病気を発見することが大切です。

 口の中は鏡があれば自分でも簡単に見ることができます。口腔癌の予防、早期発見のために月に1回程度のセルフチェックをお勧めします。鏡を見ながら、上下の唇の内側や歯肉→頬の粘膜→歯肉の裏側→口蓋→舌の表面、側面、裏面→口腔底など順番を決めて観察をしてみてください。白色や赤色が強くなっている部位がある、しこりがあるなど気になることがあれば、耳鼻咽喉科や歯科口腔外科を受診してください。また、かかりつけ歯科医院への定期的な通院も口腔癌の予防、早期発見につながります。


Text by 国立病院機構 函館病院 歯科医師 白石剛士( 2020年4月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

多焦点眼内(たしょうてんがんない)レンズ

眼科2009/08/07

 白内障手術の最近のトピックは、多焦点眼内レンズが先進医療として2008年に承認されたことです。
従来用いられてきた単焦点眼内レンズは若い頃に見ていたように全ての距離に焦点が合うのではなく、ある一点にピントが合うレンズでした。

 多焦点眼内レンズは眼鏡無しで遠くの景色が見えると共に、手元の文字にもピントが合う仕組みを有しています。
眼鏡無しで全ての距離が見える訳ではありませんが、遠くと近くが見えることで眼鏡に依存しなくなり、日常生活は非常に楽になります。
多焦点眼内レンズはその精密なデザインから高価であるため保険適応外です。
先進医療を行う施設として認められた医療施設では多焦点眼内レンズ挿入術は自費負担となりますが、手術前後の診療は保険適応となります。


Text by 江口眼科病院 江口 秀一郎( 2009年8月18日 「みなみ風」掲載)

乳房再建について

外科2015/01/26

 現在の乳がんの手術は、乳房温存術(乳房部分切除)が第一選択ですが、大きい乳がんや広範囲に拡がった乳がんでは乳房切除が行われています。
乳房を全摘出した方の中には、やはり、どうしても左右のバランス、乳房の喪失に伴う見た目の問題で悩んでいる人も少なくありません。
温泉などの公共の場から足が遠のいてしまうこともあると思います。

 『乳房再建』という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
乳がんで失われた乳房を再び取り戻す手術を乳房再建と言います。
再建する方法には、人工乳房を用いる方法(インプラント)と自家組織を用いる方法があります。
以前は、人工乳房を用いる方法は保険適用外であり、乳房再建を希望する人は自費で行っておりましたが、2013年7月から、人工乳房を用いた乳房再建手術が保険適用となり、乳房再建を希望される方がさらに増えることが予想されます。
保険適用ではなかった時期は、約80~100万円程度の自費負担でありましたが、現在は、保険適用と高額療養制度を用いると、10万円ほどで乳房再建が可能になってきております。
実際、乳がんの手術自体も以前に行われていたような無理な温存手術が減り、安全に乳房全摘出した後に乳房再建を行うという選択肢が増えてきています。
実際の再建までの流れを、乳がんで乳房切除を行っている人を例にとってみます。
まずは、人工乳房を入れる部分に、皮膚拡張器(ティッシュエキスパンダー:簡単に言うと水の袋)を挿入し、数カ月かけて徐々に水を増やしながら皮膚を拡張させていきます。
その後、永久的な人工乳房(インプラント)に入れ替えを行います。
乳房再建は主に形成外科医が中心になって行いますが、乳腺専門医との協力が非常に重要です。
それぞれの資格を持った病院・医師にご相談してください。
しかし、これらの乳房再建は、美容の目的や予防のための乳房切除(遺伝性乳がんなど)には、保険適用がありません。
今後、乳房再建手術は、乳房切除をされた方の生活の質の向上に役立つ一つの選択肢になってくると思われます。


Text by 北美原クリニック 早川 善郎( 2015年1月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

視野の中心がゆがむ中高年の病気~黄斑円孔(おうはんえんこう)

眼科2008/08/13

 網膜の中心部は視力がとても鋭敏な所で、「中心窩(ちゅうしんか)」と呼ばれています。その周囲直径1.5~2ミリメートルの範囲は、濃い黄色の部分があって「黄斑(おうはん)」と呼ばれます。目の中間部にある透明な「硝子体(しょうしたい)」が年齢とともに収縮してゆく「後部硝子体剥離(はくり)」が起きるとき、影響がこの黄斑部に及ぶと黄斑円孔が引き起こされます。

 黄斑円孔は中心窩の網膜に丸い穴(孔)があいてしまう病気です。穴自体は直径一ミリメートルに満たない、とても小さなものですが、最も視力が鋭敏な部分にできるため、大きな影響が現れます。完全な穴が形成されてしまうと、視力は矯正視力でも0.1前後になってしまいます。自覚症状として、初めは物が歪(ゆが)んで見え、進行すると視野の真ん中だけが見えなくなります。物がつぶれて見える、テレビを見ると人の顔だけが見えない、などがよく聞かれる訴えです。この病気は硝子体の収縮が関係して起きるので、60代を中心に起こります。黄斑円孔は10年ほど前までは有効な治療法がありませんでした。しかし今では手術によって視力を取り戻せるようになっています。

 手術はまず硝子体を切除します。その後特殊なガスを目の中に注入して、術後はうつ伏せの姿勢を2週間ばかり取ります。そうすると、グリア細胞という周囲の細胞をつなぎ合わせる働きをする細胞が現れ、円孔が小さくなっていき、円孔をふさいでくれます。中心窩の組織が修復されるとともに、術後の視力はゆっくりと回復していきます。1回の手術で8~9割の人は、不自由なく暮せるレベルの視力に戻ります。手術の合併症として多いのが白内障ですが、高齢者の場合すでに白内障を持っている場合も多いので、黄斑円孔の手術と同時に白内障の手術もしてしまいます。

 片目ずつ目をふさいでみて、物を見る中心に歪みやぼやけを感じる方は一度眼底検査を受けてみて下さい。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(  「」掲載)

目もメタボ!? 太っていなくてもメタボ!?

眼科2011/10/04

 近年欧米諸国と同じく、過栄養や運動不足の生活になったため、わが国では高血圧・高脂血症・糖尿病などのメタボリックシンドローム(メタボ)が急増しています。
しかしながら検診を受けていない方も多く、視力低下で眼科を受診してはじめてメタボがみつかる方もいます。
目薬で瞳を広げて眼底検査をすれば、眼科医は網膜の血管の様子を直接のぞくことができます。
眼は身体のなかで唯一、血管を直接観察できる臓器なので、実は眼底検査から動脈硬化、高血圧や糖尿病が発見されることも多いのです。
また、視界が狭くなったと受診した方の中には、視野検査などで頭の中の動脈瘤や腫瘍が発見され、即、脳神経外科で手術となり一命を取り留めた方もいます。
意外にも眼科受診がきっかけで全身の病気が発見されることは多いのです。 目のメタボは主に『糖尿病網膜症』と『加齢黄斑変性』ですが、いずれも失明原因になる病気です。
メタボと聞くと肥満をイメージしますが、アジア人は極端な体重増加がなくても糖尿病になりやすい人種です。
身長170cmで体重87kgのアメリカ人と体重72kgの日本人が同じ割合で糖尿病を発症するということで、太っていなくても油断はできないのです。
『糖尿病網膜症』も発見さえ早ければ、網膜光凝固などの治療で進行予防ができますが、糖尿病とわかっていても一度も眼底検査を受けていないために網膜症がすでに悪化してしまって、視力が戻らない方も多くいるのが現実です。
また、『加齢黄斑変性』はタバコを吸う人が吸わない人に比べて、3倍もかかりやすくなっています。
わが国の加齢黄斑変性は10年前に比べ確実に増えていますが、眼底検査をしないとわからないため放置され、視力が下がったまま固定してしまいます。 人間は80%以上の情報を目から取り入れているのです。
目は2つあるために片方の視力低下に気付かないようですが、一生見える人生を送るために早期発見が必要です。
眼科の検査は痛い検査はひとつもなく、目のメタボから身体のメタボも発見できるのですから、40歳以上の方は検診と考えてぜひ一度眼科を受診してみてください。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2011年7月15日 「青いぽすと」掲載)

親不知(おやしらず)とは

歯科2013/02/28

 親不知(おやしらず)が痛くなったり、親不知を抜いたけど大変だったと言った話を耳にする事があると思います。
人間の歯はだいたい生後半年ほどで乳歯が生えてきて5~6歳ころから徐々に永久歯に生え換わり13歳頃になると永久歯の歯並びが完成します。
ところが20歳頃以降にかけて、前から8番目の歯が生え始めることがありこれを親不知と呼びます。
正式名称では「第三大白歯」といいますが、一般的には親不知という呼び方が浸透しています。
どうしてこんな名前がついたのかというと一つは18歳から20歳前後の親元から離れる頃に生え、親が歯の生え始めを知らないという説や、乳歯が永久歯の親と考えると、親不知には対応する乳歯が存在しないので、親がない歯ということで親不知と命名されたという説もあるようです。

 親不知が痛くなる原因としては一番後ろに生えてきて、歯ブラシがしにくいところにあることも原因になって他の歯に比べると虫歯になりやすく、また炎症もおこりやすいのです。
軽い炎症が起こっていても体調の良い時には自覚症状はほとんどありませんが、忙しくて疲労がたまっていたり風邪をひいて体調を崩したりしたときに炎症が悪化するのです。
炎症が強い時は歯のまわりだけでなく、喉や顎の関節の周囲も炎症を起こしている為に口を開けることも難しいこともあります。

 症状の程度にもよりますが最初にレントゲンで親不知の位置を確認し消毒を行い、当日は処置を行うことが難しいので薬にて細菌の増殖を抑えるため消炎を行います。
その後炎症が治まったら歯を抜くことになりますが、特に下顎の親不知は横を向いてしまっているときや骨に埋まっているときがあります。
その場合は、歯を分割したり歯の周囲の骨を除去しなければならなかったりする為、抜歯後に腫れや痛みが出やすいのです。
 親不知に痛みが出た時は、我慢せずに一度歯科医院を受診してみてください。


Text by 吉田歯科口腔外科 勝又 譲( 2013年3月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

口の渇きが気になったら

歯科2016/02/09

「最近、食べ物の味が感じられない」
「舌ががさついて痛い」
「ビスケットやパンが飲み込みにくい」
「口臭がする」
「ネバネバする」
「ニッコリ笑った時に口が戻りにくい」
「乾燥する感じが1ヵ月続く」

年を取るにつれ、唾液が出にくくなり、口の中の渇き悩んでいる人は少なくありません。
口の環境悪化は歯周病や虫歯のリスクを高まめるだけでなく、糖尿病など全身の病気にも関係していることが分かってきました。
唾液減少の原因は、加齢より生活習慣にあります。
口のうるおいを保つ生活習慣を身につけましょう。

 
口のうるおい保つ生活習慣

◎ 口の中を清潔に。柔らかめの歯ブラシで歯と舌をきれいに洗う
◎ 食事は良くかんで。暴飲暴食はしない
◎ 食事は楽しい仲間とリラックスして
◎ 口呼吸はせずに、鼻で呼吸するように心がけて
◎ 姿勢よく。前かがみにならない
◎ 適度な運動でストレス発散。1日20分ほど歩く


Text by いそべ歯科医院(  「」掲載)

歯科における無痛治療について!

歯科2013/09/02

 歯科治療を受けた経験のある方にとって、歯科治療中の痛みは「イヤ」なもので、歯科へ行こうと思っても、痛みを思い出すと足が向かない原因の一つでもあります。
現在、麻酔液の進歩や良い抗菌薬のおかげもあり、麻酔を行うことによって、痛みをほぼ感じずに治療できます。
しかし、その麻酔の注射自体が「痛い、怖い」という声を良く耳にします。
ここでは、痛みの少ない麻酔注射方法についてご紹介いたします。

①表面麻酔の使用(注射の前に、軟膏の様な物を1分くらい置くことで、除痛できます)
②麻酔液を適温に温める(体温近くまで温めることで、除痛できます)
③細い注射針の使用
④電動麻酔注入器の使用(麻酔液の注入する圧を軽減でき除痛できます)

現代の歯科医院では、このように痛みが少なく、患者様が楽に麻酔できるように、種々の努力をしています。
ただ、今後行われる治療の説明など、医師と患者様とのコミュニケーションが良好なことが安心した治療を受けられる要因の一つでもあります。
歯科医院でも説明の努力はしていますが、何か不明な点や疑問点などあれば先生やスタッフに聞いて頂き安心した治療を受けて頂くのをお勧めいたします。


Text by にしかわ歯科本通りクリニック 西川 卓志( 2013年9月2日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

エコと矯正歯科

矯正歯科2008/08/13

 地球温暖化により、CO2削減の関心が高くなってきております。2003年に地球環境保全のISO14001認証取得をさせていただいた当院としては、非常に喜ばしいムードと感じております。

 皆さんにはあまりなじみが深くないかもしれませんが、近ごろは歯列矯正装置に大きな工夫が施されてきております。
以前は、歯に接着しているブラケットといわれる装置に歯列を整えるための金属線をくくり付けるのに細い線や小さな輪ゴムを使っておりましたが、現在ではキャップのように装置自体にくくりつける方法が増えています。
このことにより金属線を外すときに捨てる部分が出ないのはもちろんですが、結果的に痛みが減り歯の動きがスムーズになり治療期間が短くなるというような効果が顕著に現れます。

 電力会社や自動車産業などに比べれば、非常にわずかなものですが、矯正歯科分野のエコは、啓蒙という面で大きな効果があると考えております。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂(  「」掲載)

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