夜間頻尿について
泌尿器科を受診される患者さんの中で夜におしっこに起きることで悩まれている方は実に多いです。
しかも長年我慢されている方も多いのが特徴です。
夜間頻尿とは、夜眠りについたあと排尿のために1回以上起きなければならないという悩みがあり、そのことで日常生活に支障をきたしている状態をいいます。
夜間頻尿は年齢を重ねるごとに増加し、夜間の排尿回数も増え著しく生活の質を低下させます。
夜間頻尿は前立腺肥大症が原因の男性の病気だと思われがちですが、女性の患者さんも多く、男女差はほとんどありません。
夜間頻尿は慢性的な睡眠不足を引き起こします。
そのため、日中の眠気で日常生活に多大な支障をきたします。
また、夜に暗い中トイレに行く回数が増えることは、転倒による怪我や骨折の危険が増えます。
これらは寝たきりの原因になることもあります。
原因は多岐にわたっております。
本来尿は日中に多く作られますが、年齢とともに、心臓や腎臓の働きが低下すると、夜間に尿量が多くなってしまいます。
また、尿量を減らす抗利尿ホルモンの分泌リズムが変化し日中に尿が少なくなり、その分夜間に尿量が多くなることも原因のひとつです。
水分摂取も適度な量であれば問題ありません。
しかし過剰摂取することにより、一日の尿量自体も多くなりその分夜間の尿量も増えます。
バランスを考えた水分摂取をおすすめします。
睡眠障害で、目が覚めるからトイレに行くという方も多く存在します。
睡眠障害の原因も不眠症、睡眠時無呼吸症候群、むずむず足症候群(脚を中心に強いかゆみや痛みなど虫が這うような不快感が起こり、じっとしていられなくなる病気)など多岐にわたります。
夜間頻尿という症状は多くの原因もしくはその組み合わせで生まれた結果で、実はかなり複雑な疾患なのです。