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不眠症

心療内科2014/04/21

 成人の20%が不眠に苦しんでいるともいわれており、不眠症が最も多い健康問題の一つであることは間違いありません。

 就寝後眠るまでに30分以上かかる、夜中に何回も目が覚める、期待した時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまう、朝起きた時に熟睡感がない、というのが不眠症の症状です。
しかし、このような症状があっても、日中に影響のない場合には「不眠症」ではなく、疲労、倦怠感、集中困難、意欲低下、不安、その他の問題が生じている時に、はじめて「不眠症」という診断がなされます。

 このような症状が、心配事や痛みがある時に数日出現したり、仕事や家庭のストレス状況において数週間出現することがあるのは当然です。
しかし、長期的、慢性的に持続する場合には、心臓の病気、高血圧、肥満、高血糖やうつ病など、様々な問題が起こりやすくなり、不眠症は一つの病気として対処することが必要となります。
不眠を続けさせるような仕組みができあがっているため症状に対処するだけでなく、慢性的に不眠を続けさせる要因にも働きかける必要があるということです。
脳は過度に目覚めた状態になり、不眠を維持させるような行動パターン、考え方が続くようになるわけです。

 治療としては薬物療法の他、行動パターン、考え方に対する働きかけが必要となります。薬物療法では最近副作用が少なく、依存になりにくい薬(非ベンゾジアゼピン系といわれる薬などです)が多く処方されるようになってきています。

 薬以外の対処方法には指針があって、次のようなことがすすめられています。たとえば、
①寝る時間と睡眠時間にこだわりすぎない、
②起床時間を一定にして、起床後に日光に当たる、
③午後から夕方の規則的な運動、
④カフェインなどの刺激物質を避ける、
⑤リラックスする、などです。

 要するに、複数の方法で対処することが望ましいと考えられています。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2014年4月21日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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