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解熱剤の有効な使い方

小児科2014/01/31

 風邪を引いて高熱が出るとまず解熱剤を使用したくなりますね。
以前は発熱は身体が衰弱するので直ぐに解熱剤を使用して熱を下げなくてはいけないという考えがありました。
しかし現在は解熱剤の使用をなるべく控えるように指導しています。
その理由の一つに風邪のウイルス等は体温が低い方が繁殖し易い、つまり体温が高い方が増えにくいのです。
また体温が上がった方が免疫担当細胞の活性が上がりやすく細菌やウイルスをやっつけ易くなります。
他にも色々な理由がありますが体温が高い方が悪い病原微生物をやっつけ易くなると言うことです。
しかし高熱で辛そうにしている状態をそのままにしておくことも出来ません。

 では解熱剤はいつ使ったら良いでしょう。
私は解熱剤の使用するタイミングを体温ではなくて状態を優先しましょうとお話ししています。
高熱でも元気にしている子がいるかと思えば、たいした熱で無くてもぐったりしている子もいます。
特に乳幼児は自分の状態をうまく話せません。
こういった場合、その子の食欲やご機嫌で判断します。
高熱でも元気で食事がとれている子は解熱剤の使用は必要ありません。
水分を取らせ冷たいタオルでクーリングしていれば良いのです。
解熱剤の目的はただ体温を下げる為に使用するのでは無く、水分や栄養がとれる様に、薬が飲める様になる為に使うといっても良いでしょう。
発熱直後はまだ体力も十分にありますので多少食欲が落ちていても無理に体温を下げる必要はありません。
それよりも病原微生物と戦う為の生体防御反応としての発熱ですので無理に下げてしまうことの方が結果的に病気を長引かせる可能性があると言うことを理解しましょう。
また、高熱によりなかなか寝付けないでいるような時にも使用すると良いでしょう。
どうしても体温をめどに使いたいときはなるべく38.5℃以上になってから使用するようにしましょう。
解熱剤の使用については主治医の先生の説明を良く聞くようにして下さい。


Text by 五稜郭ファミリークリニック小児科 石坂 仁( 2014年2月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

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