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肺炎の原因? 逆流性食道炎

内科2013/12/24

日本人の死亡原因は2年前、3位の脳卒中が4位に下がり肺炎が3位に上がりました。
脳卒中の治療が進歩し死亡率も減少しましたが、一度は脳卒中等から救命されてもその後免疫力の低下やおう吐時に吐いた物が気管に入ってしまうこと等で肺炎を繰り返し、悪化することによって、肺炎の死亡率が増加したとも考えられます。
初回の肺炎は、抗生剤などにより治癒することが多いのですが、他の病気を合併している肺炎は、一度治癒しても肺炎を繰り返して寿命を縮めることがあり、逆流性食道炎もその原因となります。
逆流性食道炎とは、強い酸性の胃液や、胃で消化途中の食物が食道に逆流しておう吐等をするため、食道が炎症を起こし、びらん(粘膜がただれること)や潰瘍を生じる病気です。
若くて元気なうちは、逆流性食道炎があっても酸分泌抑制剤を毎日内服し続けることでほとんどの症状は改善しますが、一度症状が消失しても再発が多くみられます。
それは、内服だけでは逆流性食道炎を起こしやすい状態を治すことは難しいため服薬を中止すると症状が再び悪化するのです。
また、逆流性食道炎が重症であれば、もちろん長期間薬を飲み続けなければなりません。
しかし、薬でも治らず、再発が繰り返される場合には、手術が必要になります。
以前は開腹手術が中心でしたが、最近はお腹を開けない、腹腔鏡による手術が普及しています。
この方法では腹部に開けた小さい穴から腹腔鏡を入れ、モニターに映し出された映像を見ながら、食道と胃のつなぎ目を逆流しないように閉めなおすのです。
この方法であれば、一週間ほどの入院で完治し、長期間服用していた薬を中止しても症状の再発を防ぐことも可能になります。

逆流の重症度は、胃カメラだけでは正確に判定できない場合が多く、その場合、食道内の酸性度(pH)や食道に胃酸が逆流しているときの時間や、頻度を測定することが大切になります。

治療が遅れて重症になる前に、今後肺炎を繰り返すことになる前に、胃カメラ検査を行い食道のpHで重症度を判定し、適切な治療を行いましょう。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2013年12月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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