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ピロリ菌を除菌したあなたに

内科2013/11/25

今年の2月より慢性胃炎についてもピロリ菌の除菌治療の保険適用が認められました。
ピロリ菌を除菌すると胃がんの発生は3分の1になるといわれています。
また、若い方が除菌すると、さらに胃がんの発生率が低下することも分かってきました。
胃がんの一次予防は、ピロリ菌の感染予防・除菌です。
2次予防は、早期発見、早期治療です。除菌後の問題点は何でしょうか?
それは除菌しても、胃がんがゼロにならないことです。
除菌して安心した結果、検診を怠り、発見が遅れてしまうこともあります。
ピロリ菌の除菌後の胃がんの発生について、除菌後に新しく出来た癌と除菌後に認識可能になった癌があります。
後者は除菌後2~3年後の早期に発見されるタイプで、除菌するときカメラで見えないくらいの小さな癌があり、その後2~3年でようやく見えるサイズになったものと考えられます。
このようなこともあるので、除菌後も胃カメラによる検査が必要になります。
では、どのくらいの頻度で検査を行うべきでしょうか?
これについては、除菌後も胃粘膜が萎縮(老化)した状態が続いているなら、1年に1度は継続して行うべきです。
また、ピロリ菌の除菌により、胃粘膜が正常になってくるようであれば、癌化の確率は減るはずなので2~3年に1度の検査でよくなると思います。
当院でも、ピロリ菌の除菌後に癌が見つかった方がいます。
毎年受けられている方は1センチ大の早期胃がんで見つかり、おなかにメスを入れることなく、胃カメラで治癒切除ができました。
逆に除菌後5年以上経過して久しぶりに胃カメラを行った方は、残念ながら進行がんになっていました。
ご本人には胃の症状はありませんでした。
このようなことがあるので、除菌後も 主治医の先生に確認して、胃カメラでの経過観察を行ってくださいね!
さて、来年は何月に胃癌検診を行いますか?


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2013年11月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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