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乾き目なのに涙目[結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)]

眼科2013/10/28

図 白目(強膜:きょうまく)の表面は結膜(けつまく)という薄い膜で覆われています。
その結膜は黒目(角膜:かくまく)から始まって外側へ伸び、数㎝外側でUターンして赤目(眼瞼:まぶた)の表面から瞼の縁まで戻ってきます。
両手で薄い透明なビニール袋を持っている状態を想像してみてください。
そのビニール袋の中に涙がたまっていて瞬きをする度に開いている側から涙が流れ角膜の表面を覆って潤してくれます。

 年齢とともにこの結膜がゆるんでだぶついてきてしまう方がいます。
この状態を結膜弛緩症といいます。結膜弛緩症になると、例えば下瞼でゆるんできた結膜は上の方に上がってきて、下瞼の縁からはみ出して角膜の上まで飛び出して、下瞼の縁から白目の固まりが盛り上がって見えるようになっています。

 この状態になると、結膜の折り返し部分に涙をためることが出来ないため涙があふれて涙目になってします。
でも逆に、折り返し地点に涙がちゃんとたまっていないということは瞬きをしたときに涙が黒目をきれいに覆うことが出来ず、すぐに涙が蒸発してしまいます。
ですから、結膜弛緩症の方の問診票を見ると、「涙が多い」と、「目が乾く」の両方に丸がついている場合がよく見られます。
そのほかに、シブシブする、イズい、目やにがたまる、涙が目尻にあふれるので目尻の皮膚が肌荒れする、といった症状も出てきます。

 治療法としては、結膜を引っ張って張りを持たせた状態で強膜に縫い付ける結膜縫合術(けつまくほうごうじゅつ)を行います。
程度の軽い場合には電気焼灼等方法で簡単に行うことも出来ますが、引っ張って強膜に縫い付けることもあります。
程度の重い場合には結膜を一部切り取ってから縫い付ける場合もあります。

 涙目だけれど乾き目、シブシブする、朝に目やにがたまっているという方は一度眼科を受診して結膜の状態をチェックしていただきましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2013年10月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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