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虫さされにご用心 〜マダニと重症熱性血小板減少症候群〜

眼科2013/07/31

 城岱スカイラインと言った峠道をドライブすることがあります。
七飯本町から大沼に抜けるとっても景色の良い道です。
すると、道ばたに止まっている車がいます。
何をしているのか不思議だったのですが、どうやら山菜採りをしているようです。
そういう方が、眼科を受診することがあります。
目の縁に虫が付いているというのです。
診察してみると、確かに茶色い虫が付いていますが、皮膚からは胴体が垂直に出ていて足がもぞもぞと動いていることがあります。
マダニです。マダニは通常2mmくらいの小さな虫ですが、皮膚は硬く、なんといってもその強力なあごを皮膚に差し込んで体を固定するため、手で抜こうとしても簡単には取れません。
皮膚にくっついたまま、人間の血を吸うため体がだんだん大きくふくれあがってきます。
下手に抜こうとすると、あごを皮膚の中に残したまま頭部がちぎれるため、残った頭部のため皮膚が炎症してきて、赤く腫れ上がってきます。

 アルコールや消毒液をかけるとマダニがいやがって皮膚から離れていくという方法もあるようですが、必ずしも成功する方法ではないようです。
眼科を受診した場合、手術用のベッドに横になっていただいて、顕微鏡を見ながらピンセットを使って注意深く皮膚から引き離していきます。
ただ、やはり頭部がちぎれてしまうことがあるため、あごが皮膚に残らないように、周囲の皮膚を含めて手術用のメスやハサミを使って取り除かなければならないことも多いようです。

 最近、新聞やテレビで良く報道される病気があります。
マダニから感染したウィルスのために嘔吐や下痢、頭痛を引き起こし、最悪の場合死亡することもある<重症熱性血小板減少症候群>という病気です。
 山菜採りやハイキングに出かけて、まぶたに何か付いていたら、無理してとらずにまず眼科を受診してみましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2013年8月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

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