耳鳴り~仲良く付き合いましょう
耳鼻咽喉科2013/07/16
2001年に行った厚生労働省による国民生活基礎調査では、慢性的に耳鳴りを感じている人は全体の26.8%で、4人に1人は耳鳴りに悩まされていることになります。
一般的に耳鳴りは難聴を伴っていることが多いので、聴力検査は必ず行う必要があります。
薬物療法ではビタミンB12製剤、代謝賦活剤、微小循環改善剤や漢方薬を処方します。
新しい治療法としてTRT(耳鳴再訓練療法)がありますが、音響療法とカウンセリングからなる治療法です。
耳鳴りを消失させるのが目的ではなく、耳鳴りに慣れてもらうことで耳鳴りに対する苦痛を軽減させる治療法です。
しかし、治療器具を実費負担(4万円前後)していただく必要があるため、普及していないのが現状です。
①致死的な症状ではないこと、
②感じる音の大きさ・高さが変化することは体調の変化によってよく起こることで心配はないこと、
③他の病気の前兆であることは多くはないということなどを理解していただくことも重要です。
Text by
治耳鼻咽喉科 山口 治浩(
2013年7月16日 「Array」掲載)