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ピロリ菌をやっつけろ!(慢性胃炎編)

内科2013/05/27

朗報です!
ピロリ菌の除菌治療の対象が拡大して、慢性胃炎の方も健康保険で除菌治療が行えるようになりました。
今までは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・早期胃癌の胃カメラ治療後・他の特殊な病気だけが、除菌治療を保険で行うことができました。
それ以外の方は、ピロリ菌がいても自費で除菌を行っていたのです。
ところが、ピロリ菌と慢性胃炎の発癌の問題が、より明らかになったため、厚生労働省も重い腰を上げて除菌治療を慢性胃炎にも適応拡大したのです。
胃癌とピロリ菌について述べますと、ピロリ菌陰性者からは、ほぼ胃癌は発生しません。
ピロリ菌陽性であるだけで1000人に1人、そして慢性胃萎縮性胃炎の所見があれば400人に1人の割合で胃癌が発見されます。
また、萎縮性胃炎が進行するとついにはピロリ菌も胃の中に住めなくなります。
この時期には、ピロリ菌がいないにもかかわらず80人に1人の割合で胃癌ができます。怖いですね!
そうなる前の除菌治療ということです。
除菌治療とは、抗生物質2種類と胃酸を抑えるお薬を1週間飲むだけです。
初回の治療=1次除菌は約70%の除菌率です。
もしうまくいかなければ、2回目の治療=2次除菌を行います。
2次除菌は約90%の除菌率です。
ともに主な副作用は下痢・軟便です。
1次除菌ではまれに味覚障害が起こりますが、除菌治療後元に戻ります。
2次除菌は、薬の作用でアルコールが分解でピロリ菌の除菌後しばらくして胃酸の逆流症状が強くなる方もいます。
除菌治療により発癌リスクは減りますが、癌にならないわけではありません。
ここを間違わないでください。
除菌後も胃癌検診は必要ですよ!
除菌したので胃癌検診を行わず、残念ながら進行胃癌になっている方もいますので除菌後も胃癌検診は怠らないようにしましょうね!
検査の間隔は除菌後の胃炎の改善状態にもよります。
除菌して安心しきっているあなた! 次の胃癌検診はいつですか?
ちゃんと主治医に確認してくださいね!


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2013年5月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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