血尿について
泌尿器科2013/02/12
今回も身近な話題について書いてみたいと思います。
血尿には、ご自分で見てはっきりと赤いことが分かる肉眼的血尿と、見た目は正常ですが検診や病院の検査でたまたま指摘される顕微鏡的血尿の2種類があります。
肉眼的血尿の色調は、出血の場所や程度により様々です。
鮮やかな赤、赤ワインのような赤、どす黒い赤、茶色など。
高熱時や水分摂取の少ない時の濃い黄色尿や薬剤による着色尿は血尿ではありません。
いずれの血尿も何らかの病気が潜んでいるサインを示していることがあります。
一番注意が必要なのは、痛みや頻尿などの自覚症状がない肉眼的血尿です。
膀胱などの腫瘍によることが多く、いったん血尿が出ても自然に止まるため、病気が治ったと思い、そのまま放置する方もいます。
その間に病気は進行するので、難しい手術や治療が必要になってしまいます。
たまたま尿検査をした時に、潜血反応が陽性で、2次検査を受けるように勧められることもあります。
慢性腎臓病、腎炎などの内科的疾患や膀胱や腎臓の腫瘍の初期症状のこともありますので、どんな血尿の場合でも、ご自分の判断だけでなく、一度はお近くの専門医の受診をお勧めします。
Text by
医療法人社団やまだクリニック 山田 裕一(
2013年2月12日 「みなみ風」掲載)