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涙道(るいどう)内視鏡を用いた流涙症(りゅうるいしょう)治療

眼科2012/11/26

 「悲しくもないのに涙が出て止まらない」「いつもハンカチで涙をふかなければいけない」こんな悩みをもっている方けっこういらっしゃいますよね! この様な症状は涙道(涙の排出路)がつまってしまっている可能性が高いのです。
いわゆる涙道閉塞という病気です。

 人間の眼の内側には涙点という涙の流れる口が上下に2箇所あります。
涙はここから2本の管を通り涙嚢(るいのう)という袋に入り、鼻の奥へと流れて行くのですが、このどこかに閉塞している場所があると鼻の方に流れて行かなくなり眼の外にこぼれ出るため、常に泣いているように涙があふれてくるのです。

 涙道閉塞の治療は目薬では直す事が出来ず、今までは「ブジー」と呼ばれる先の丸い金属棒を使って閉塞部を突き再開通させ、チューブを挿入し治療していました。

 この方法で治らないケースの場合には鼻の骨を削って小さな穴をあけて、鼻の粘膜と涙嚢の粘膜をつなぐ手術を行うという方法も行われていました。

 近年、『涙道内視鏡』を用いた新しい流涙症の治療が行われるようになりました。
この治療は、涙点から挿入した小さなカメラで涙道の内腔を直接観察しながら、つまっている部分を開放し、柔らかいチューブを挿入し留置しておく方法です。
麻酔は涙点から麻酔液を注入し、鼻の中にも麻酔液を浸した綿を詰めます。
手術後は2週間に1回洗浄の為に通院が必要で、留置したチューブは約2ケ月後に抜去します。
この治療が普及してきたお蔭で、骨を削ったり、顔の皮膚を切ったりすることなくなりました。

 涙が多いというのは毎日が不快なものです。
「治療しなくても我慢すればすむ事」とあきらめてしまう前に『涙道内視鏡』による治療という方法もあります。


Text by 吉田眼科病院 佐藤 浩介( 2012年11月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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