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かわりゆく糖尿病の食事療法について

内科2012/11/26

 最近テレビなどのダイエット番組で取り上げられている「低糖質ダイエット」。
それに近い考え方の糖尿病の食事指導があります。
カーボカウントといいます。
この考え方を紹介するときに有名な話があります。
アメリカでインスリン治療中の患者が、バーベキューの後で低血糖となるという話です。

 え? あんなに肉の塊を食べたのに??

 患者さんも医師もびっくりです。
低血糖となった患者は、肉を多く食べて、炭水化物~ライスやパンをほとんど食べていなかったそうです。
つまり、食後の血糖の上昇を左右するのは、肉・油(タンパク質・脂質)ではなく、ご飯・イモ・パンなどの炭水化物(糖質)であるということです。
このカーボカウントというのはカーボ(炭水化物=糖質+食物繊維)の量からどのくらい血糖値が上昇するかを考え食事に応用するものです。
はじめは、インスリン依存型の糖尿病の方が、食前の血糖値から、食べる炭水化物の量を考え、食後の血糖値を予測して、基本的なインスリン量に追加インスリンを加え血糖コントロールを行うものでした。

 日本人に多い2型糖尿病は、一般的に1gの炭水化物で3mg血糖値が上がるといわれています。
ご飯1膳150gには、55gの糖質が含まれています。
2型糖尿病の人がご飯を食べると理論上は55×3=165mg血糖値が上がる計算になります(実際には、その人のインスリン分泌量によって上下します)。
ところが焼肉(塩)200gでは炭水化物を含みませんのでほとんど血糖値は上昇しないのです(甘いたれは、糖質なので血糖値を上昇させます)。
炭水化物を多く含む食品は、ごはん・パンなどの穀類、豆類、じゃがいも・かぼちゃなどの根菜類、果物、乳製品(乳糖)です。
また炭水化物(カーボ)(g)を、主食の総重量から計算する方法もあり、米飯40%、パン50%、ゆで麺20%を総重量にかけると炭水化物量になるとしています。
このように今後は食事の炭水化物の量を主に考え血糖値と付き合う時代になりつつあるのです。
ただし糖尿病の方は主治医と相談しながら行って下さい。


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2012年11月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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