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ワクチンで防げる病気はワクチンで防ぎましょう

小児科2012/06/25

 Hibワクチンと肺炎球菌ワクチン、子宮頸がん予防ワクチンが来年からの公費接種となることが決まりました。
不活化ポリオワクチンは9月から単独での接種が始まり、11月からは三種混合ワクチンと一緒になった4種混合ワクチンとして接種が出来る予定となっています。

 ようやく世界水準のワクチンレベルに追いつきつつあるのですが、未だに知られていないのはB型肝炎の予防ワクチンです。
このワクチンの目的はB型肝炎ウイルスによるがんの予防です。

 現在、B型肝炎ワクチンは母親がB型肝炎ウイルスに感染してキャリアとなっている人に限って、母子感染を予防するという目的で行われています。
しかし、世界はすでにすべての子供達にB型肝炎ワクチンをするようになっていて、世界177カ国で生まれた直後からのワクチン接種が始まっています。

 B型肝炎ウイルスには3つのタイプがあることが知られていて、今まで日本で広まっていたのは子供のうちに感染してしまうと将来がん化することが懸念されていました。
最近首都圏などで広まっているタイプは成人になって感染しても肝臓がんを発症しやすいと言われ、このタイプが主流になって来ました。

 通常の日常生活では感染に至ることは稀ですが、家族内での感染や性的接触による感染などは知られております。
ワクチンは成人になってからも可能ですが、乳幼児期に接種したものは抗体の獲得に優れていると言われ、多くの国では3種混合ワクチンの中に不活化ポリオワクチンと一緒になった5種混合やHibワクチンも含めた6種混合ワクチンという形で普及しています。

 日本では残念ながら任意接種扱いで1回5,000円程度で3回の接種が必要です。
でも、これによって将来の癌のリスクの一つは防ぐことが出来るのですから、おたふくかぜや水ぼうそうとともに子供のうちに必要なワクチンとしてご両親にぜひ理解していただきたいと思っています。
現在、2ヶ月からHibワクチンが始まりますので、それに合わせてB型肝炎ワクチンもぜひ接種するようにしましょう。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2012年6月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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