不整脈とめまい
めまいを起こす原因はいくつかありますが、不整脈でもめまいを起こします。
不整脈のために起こるめまいは失神の寸前であり、時には突然死の前兆を意味することもあります。
脈が非常に遅くなってしばらく心臓が止まる場合や、脈が速くなる不整脈の場合にも起こります。
こんな時には、血圧が急激に低下するために脳に血が廻らないのと、全身の脱力が同時に起こり、血の気が引く感じがします。
たいていは数秒間でもとに戻り、動悸や冷や汗がでます。数秒で戻らないと意識を失って倒れ、30秒以内に意識が回復します。
もっと長く続くと突然死に至る可能性が出てきます。
脈が遅くなる不整脈は多彩にありますが、代表的なものは洞機能不全症候群や高度な房室ブロックで、心臓の電線が切れて心室が動かなくなる状態です。
3秒以上心臓が止まるとめまいがしてきて、5秒を超えると失神するようになります。
10秒くらいの心停止ではけいれんも始まります。
自律神経のアンバランスなどの一時的な原因なら治ることも多いのですが、進行する心臓病の場合にはペースメーカー(心臓を電気刺激して動かす機械)を植え込む手術が必要なこともあります。
心臓は全身に血液を送り出す水鉄砲のようなものと考えてみてください。
たっぷりと水を吸い込んでギューっと押し出すと、たっぷりと水をとばすことができます。
これをすごく速くすると、吸う時間もなくなれば押し出すこともできないので、水を飛ばすことはできません。
1分間に200回以上の脈になると心臓も血を送り出せなくなり、めまいを起こします。
心室頻拍、心室細動と呼ばれる心臓がけいれんするような不整脈では、すぐに自然停止しなければAEDでの電気ショックが必要であり、突然死の原因になってしまいます。
正確に診断するためには、めまいの原因に不整脈を疑うことから始まります。
心電図や、ホルター心電図と言う24時間の心電図検査が欠かせない検査です。
突然の失神で骨折して何年もたってから不整脈に気付くこともあります。
このようなめまいや失神には注意をしてください。