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成長期のスポーツ障害と外傷について

整形外科2008/08/13

 成長期(10~15歳位)といわれる時期は、身体はもちろん、精神的にも大きく発達し、人間形成にとって非常に大切な期間です。スポーツ活動の効用は単に体力の向上だけではなく、勉強だけでは得られない色々な経験をすることにより、忍耐力や協調性などの社会性を訓練するという面もあります。成長期の骨が成人の骨と大きく異なるは、骨端線や骨端核という骨の成長を担う部分があることです。ほとんどのスポーツ障害はこの部分に対する過度の負担によるものです。

 最も代表的なものが一般的に野球肘といわれている障害で、内側型、外側型、後方型と色々なタイプがあります。肘関節には骨の成長する部分が集中しており、特に10~12歳の投手に発生率が高くなっています。投球時の痛みが最初の症状ですが、それを放置して無理を続けると骨や軟骨の壊死を生じ、関節の可動域も悪くなります。壊部分が小さければ回復し後遺症は残りませんが、進行すると関節は変形し機能的にも障害を残すことになってしまいますので、指導者や保護者が早期に異常を発見してあげることが最も重要です。

 次に腰椎分離症についてお話しします。分離症はジャンプを伴うスポーツ(バレーボール、バスケットボール、バドミントン、陸上競技のジャンプ系種目)などで多く発生します。これは腰椎の上下のかみ合わせの関節の近くが繰りされるストレスにより疲労骨折を起こし、離れたままになった状態をいいます。分離症も早期であれば、スポーツ活動を中止し、三~四ヵ月のコルセット固定をすることにより骨癒合します。

 最後に手の外傷の中で最も多い「つき指」について説明します。「つき指」は指先が急激に曲げられた時に発生し、関節が自力で伸展できなくなった状態をいいます。伸筋腱自体が断裂した場合と骨片を伴った二つの場合があり、前者は普通四~六週間の外固定で治りますが、後者は骨片を固定する簡単な手術が必要です。「つき指」は軽いケガと見られることが多く適切な治療を受けないままに放置される方が意外と多いので御注意ください。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

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