足が痛くなる内科の病気
歩いているうちに足が冷たくなってくる、もっとひどい時は、ふくらはぎが痛くなり、びっこを引く病気があります。血管の動脈硬化により、足先まで血が巡らなくなる病気で、閉塞性動脈硬化症というのが、正式な病名です。
軽症の間は、足の冷感やしびれ感程度の時期もあります。
段々足の皮膚の色が蒼白になり、歩行時に足の筋肉痛を生じますが、休むと改善するので、我慢してしまう人が多いです。
さらに、重症になると安静時にも痛くなり、つま先が黒く炭のようになり、壊疽や潰瘍ができます。
高齢、高血圧、糖尿病、喫煙など動脈硬化の進みやすい状態があると、動脈の内側に、主に脂肪などが張り付き、動脈の中が狭くなります。
狭い血管を通って、血液は足に流れにくくなりますが、狭い場所では、血が固まるような物質が出てきて、ますます、血管が詰まりやすくなったり、炎症が起こって、血管が狭くなったりと悪循環に陥ります。
足の血管でもこのような状態ですから、閉塞性動脈硬化症の人では、頭や心臓の血管にも同様の硬化症があり、脳梗塞や心筋梗塞を生じることが5~6倍増えるのです。
検査としては、両腕と両足の血圧を同時に測って比較する方法で十分発見可能です。
簡便に手足の4箇所で同時血圧を測る装置がありますので、5分もあれば結果が出ます。
この検査で異常が見られたら、循環器の詳しい検査を行います。
必ず、歩行距離で重症度を判定しますので、運動負荷試験などを行います。
「歩いたときに足が痛くないこと」は、第1の治療目標です。
- 運動療法
- 薬物療法
- 風船を使ったカテーテル血管形成術やバイパス手術
の3つの治療方法があります。重症度によくあった治療を選ぶことが大事です。さらに、心筋梗塞・脳梗塞の予防や、病変の再発を予防することも治療目標になります。実際、足の痛みを訴えて受診した人では、心臓や首の動脈が細くて梗塞を起こしそうな所を発見されることが多いのです。