病院は怖い?
「普段は病院に行くなんて言わない子なんですけど、今日は病院に行くと自分から言うので」
「はぁ、よっぽど具合悪いんですね」。
(そんなに病院って、嫌かねぇ。僕は毎日来てるけどなぁ)。
時々、外来である会話です。やっぱり、病院って緊張しますか?
悪い知らせばかりあったり、叱られに来ているわけじゃないのですが。
白衣高血圧っていう病名は、ご存知でしょうか?
病院の玄関を入るとドキドキしてきます。医者に上手く病状を説明できるかしらという不安感、昨日ラーメンのスープを全部飲み干して塩分を大量に摂ったという罪悪感、薬を飲まずに血圧が急上昇していそうな予感など、診察室には、つらい状況を作り出す地雷がたくさん埋まっていそうです。
こんな時に、緊張しやすい性格の人は、白衣を着た医者のせいで血圧が高くなるので、白衣高血圧といいます。同様のことが、日常でも、緊張を強いられる場面が起こります。
高血圧がある人では、頭の血管が切れちゃうんじゃないかと思うほど上がります。
一時的な血圧の上昇なのですが、繰り返していると平素の血圧も次第に高くなってくるため、心筋梗塞や脳梗塞などの発症率が高くなります。
反対に、病院に来ると安心して血圧が正常になったり、起床時には高血圧なのに、日中、正常血圧になる人もいます。まれな病態ではありますが、診察時には正常血圧と思われて見過ごされてしまいます。
比較的、若年の人に起こりやすい現象ですが、これも、脳・心臓病の高い危険因子です。
仮面高血圧と呼びます。
いずれも、家庭血圧の測定を参考に適切な治療を行えば、高血圧から起こる心臓や脳の大病を予防することができるので、気楽に受診してみてください。