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男性の性(24)

泌尿器科2011/12/29

 今回も包茎の話を続けます。米国では新生児期にかなりの割合で(2005年の報告では61%)包茎手術が行われていると紹介しましたが、もちろん日本ではそんなことはないので、多くの男児(70~80%)が程度に差はあれ仮性包茎であり、就学後でも約10%が真性包茎といわれています。
真性包茎でも副腎皮質ホルモンクリームを塗布し入浴時に包皮の翻転を少しずつ試みていくうちに亀頭が露出することも多いのですが、どうしても包皮が翻転できず亀頭が露出しない場合、仮性包茎でも尿路感染や亀頭包皮炎を繰り返す場合や、包皮が翻転でき亀頭が露出しても包皮口が狭く元に戻しにくい場合(元に戻せない状態が続くと亀頭・包皮が腫れて嵌頓包茎という状態になり早急に処置が必要になります)、は手術が必要になります。
小児の包茎手術は全身麻酔が必要な場合が多いので、1泊入院で行う施設が多いようです。
成人の(正確には第2次性徴終了後の)包茎に関しては、真性包茎の場合は当然手術が必要ですが、仮性包茎でも包皮口がやや狭く勃起時に疼痛や不快感があるものも手術が適応となります。
また包皮が著しく過剰で性交時(膣挿入後のピストン運動時)支障がある場合も手術した方が良いと思います。
その他、前回少し触れましたが、 性行為感染症の予防については、包茎手術が効果があるという意見とそうでない意見があります。
効果があるという意見は、仮性包茎の場合、性交時の包皮小帯部の微小損傷が意外と高頻度であることや性交時の接触面積が大きいことを理由に挙げていますが、そうでないとする意見は統計学的に差が無いことを理由としています。
包茎手術を受けたグループと受けていないグループでは、HIV感染症が受けていないグループで70%も高率だったという南アフリカの報告もあります(2005年)。
早漏防止効果については、心理療法や薬物療法、トレーニング等、他の治療が無効な場合にのみ試みるべきと思います。


Text by 岡本ひ尿器科医院 ( 2011年12月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

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