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不妊治療の負担は検査機器の進歩によって軽減されつつあります

産科婦人科2009/08/21

 体外受精・顕微授精といった高度生殖補助医療の進歩によって、これまで赤ちゃんを授かることが難しかったご夫婦にも妊娠・出産の機会が増えてきました。

 不妊治療を受ける場合、女性側の心身の負担はどうしても男性側より多くなります。
たとえば、体外受精・顕微授精では成熟した卵子を育て、採取するためにホルモン補充を行う卵巣刺激法が必須です。
このため、血液検査で生殖に関係する数種類のホルモン量を調べる必要があります。
検査によって正しいホルモン分泌量がわかれば、その人にあった卵巣刺激法を選択することができます。
卵巣を過度に刺激するような過剰なホルモン投与を避けることができるわけです。

 また、同じ方でもホルモンの分泌状態は月経周期によって微妙に違います。
その都度、適切なホルモン補充療法を行うには、回数多くきめ細かにホルモン状態を調べる必要があるわけです。
さらに採卵から体外受精を経て子宮内に受精卵を戻したあとは、受精卵の着床と発育を促すために黄体ホルモン補充療法を行いますが、この場合も個人差に合わせるためには、ホルモン量を正確に調べる必要があります。

 このように、治療の過程では何度か採血してホルモン定量検査を受けるのですが、結果が出るまでの待ち時間は特に仕事を持つ女性にとってはかなりの負担になります。

 しかし最近は短時間で検査結果が出る迅速なホルモン検査機器が登場しており、待ち時間の負担が大幅に軽減されつつあります。
何よりも患者さんにとってメリットになるのは、迅速に検査結果が得られることでより正確により適切なホルモン補充療法を受けられることでしょう。

 日々進化する医療機器や検査機器を積極的に導入し、患者さんの心身の負担の軽減に努めるのも、不妊治療医に欠かせない条件のひとつかと考えます。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史(  「」掲載)

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