涙目の治療には
涙は上瞼(うわまぶた)にある涙腺〈るいせん〉から出て来て目を潤すと、目頭にある涙点(るいてん)から鼻涙管(びるいかん)、涙嚢(るいのう)を通って鼻の穴=鼻腔(びくう)に捨てられます。
そのどこが狭くなっても涙目になってしまいます。
また、白目の表面の結膜(けつまく)がたるんでくるとそこへ涙がくっつくような感じも出ます。
涙目の手術療法としては、
- 結膜を引っ張って伸ばす〈結膜縫合術〉
- 小さくなった涙点を切り広げる〈涙点切開術〉
- 鼻涙管にシリコンチューブを入れて狭くなったところを広げる〈涙道チューブ挿入術〉等を行います。
- 頑固な涙目や鼻涙管に膿がたまっている涙嚢炎(るいのうえん)の場合には涙嚢と鼻腔の間の骨に穴を開けてトンネルを造る〈涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)〉を全身麻酔でしなければならないこともあります。
こちらで拝見しても全然涙がたまっていないのに涙目を訴える方もいます。
そういう方は白内障を患っている方が多く、白内障でぼんやりしている感覚が涙目に感じてしまう事もあるようです。
また、下瞼の皮が余って目の方向にめり込んでくる眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)の場合には余った皮を切り取る手術が必要になります。
生後1~2ケ月の赤ちゃんの涙目や目やにを相談される事もあります。
赤ちゃんの涙目の原因として多いのが先天性鼻涙管閉鎖症(せんてんせいびるいかんへいさしょう)と眼瞼内反症です。
いずれにしても自然に治ってくる事があるので、程度にもよりますが、鼻涙管閉鎖症の場合は生後6ケ月くらいまでは、眼瞼内反症の場合でも幼稚園くらいまで様子を見る事もあります。
それでも治らないようであれば、鼻涙管閉鎖症の治療用の針金で突っついて詰まったところを開通させる涙道ブジー法、眼瞼内反症の場合にはホッツ法という手術をする事もあります。