大人の鼠径(そけい)ヘルニア治療の最近
整形外科2009/04/02
鼠径ヘルニアの「鼠径」とは太ももの付け根の部分のことをいい、「ヘルニア」とは体内の臓器などが正しい位置からはみ出した状態をいいます。
つまり鼠径ヘルニアとは、本来はお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、多くの場合鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てきてしまい、症状として鼠径部近くに違和感や鈍い痛みを感じたり、そこが軟らかく盛り上がり、横になって力を抜くと平らになり、重い物を運ぶと膨らみが目立つようになるなど一般に「脱腸」と呼ばれている病気のことです。
鼠径ヘルニアは手術以外治療方法がありません。手術方法としてポリプロピレン製の人工膜で筋膜の穴をふさぐメッシュ法が痛みも少なく短期入院で済むため普及してきており、再発率も約1%で、生活の質を考慮すれば積極的に治療した方が良い病気です。
鼠径ヘルニアはお薬では治すことはできません。下腹部に隆起を認め不快な症状がある場合は、専門医にご相談ください。
Text by
函館渡辺病院 伊坂 直紀(
「」掲載)