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眼瞼下垂(がんけんかすい)について

眼科2009/02/20

 眼瞼下垂とは目をあけても上まぶたが十分に開かない状態のことをいいます。眼瞼下垂があると、視覚の発達期にある小児では弱視、斜視、屈折異常の発生に関係し、高齢化社会の今日しばしばみられるようになった加齢性眼瞼下垂も、高度になると日常生活に不便を来たし生活の質を低下させます。

 眼瞼下垂は生まれつきまぶたをあげる機能が弱い先天性眼瞼下垂と、後天的な要因で生じる後天性眼瞼下垂に分かれます。

 先天性眼瞼下垂では、まぶたを上げる筋肉[上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)]の力がかなり弱いか、上眼瞼挙筋が欠損しているため十分にまぶたが上がらなくなっています。

 後天性眼瞼下垂症には、腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)、神経原性眼瞼下垂(しんけいげんせいがんけんかすい)、筋原性眼瞼下垂(きんげんせいがんけんかすい)、腫瘍性病変によるものなどがあります。まぶたを上げる神経の障害(動眼神経麻痺や脳梗塞後遺症など)、筋肉自体がこわれてしまう病気(筋緊張性ジストロフィーや重症筋無力症など)では原疾患の治療にて改善が期待できることもありますが、薬物治療などで改善が認められない場合には患者さんの状態に応じて手術を行うことがあります。

 後天性眼瞼下垂のなかで腱膜性眼瞼下垂は、加齢や化粧、アレルギー性結膜炎、コンタクトレンズの長期間使用などでまぶたがこすれることにより、まぶたの板[瞼板(けんばん)]とまぶたを上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の間をつないでいるすじ(腱膜)が瞼板からはずれてゆるんでしまうことにより生じます。この結果、まぶたを開けようとして上眼瞼挙筋が収縮しても、その力が十分に瞼板に伝わらなくなるため眼瞼下垂になります。この症状があると、これを補うために眼瞼挙筋に付随している筋肉(ミュラー筋)を収縮させてまぶたを開けることになります。ミュラー筋が収縮するためには自律神経の交感神経が緊張する必要があり、交感神経が常に緊張していると頭痛や肩こり、手足の冷え性、不眠などを生じることがあります。治療はゆるんではずれてしまった腱膜を瞼板にとめなおす手術を行います。

 また、まぶたが開けにくい患者さんの中には、まぶたが痙攣をする病気(眼瞼痙攣)を伴っていることがあり、治療は痙攣を抑える作用をもつ薬をまぶたの筋肉に注射します。

 このように眼瞼下垂には原因がさまざまあるので、治療法もさまざまです。まずは眼科医を受診して眼瞼下垂の原因を見つけることが先決です。脳動脈瘤など他の病気の影響だったり予兆だったりする場合はこちらの治療が優先となります。医師に相談し原因を見つけて適切な治療を受けましょう。


Text by 藤原眼科 藤原 慎太郎(  「」掲載)

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