インフルエンザ菌b型による髄膜炎を予防するワクチンが始まります
皆さん、細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)という病気をご存知ですか?
これは何らかの原因で細菌が脳を覆っている髄膜という部分に感染して起こる病気で、発熱や頭痛、嘔吐、乳児の場合は不機嫌などの症状や状態の後、進行すると痙攣や意識がなくなるという強い症状をあらわします。
その多くは6カ月から1歳くらいまでのお子さんで、細菌性髄膜炎に罹った5%は亡くなり、20%に麻痺や知能障害などの後遺症が残るといわれています。
日本では年間におよそ600人のお子さんがこの病気に罹り、苦しんでいるものと推測されています。
細菌性髄膜炎の原因で多いのはインフルエンザ菌b型、肺炎球菌、髄膜炎菌などで、現在世界中で使われているインフルエンザ菌b型に対するワクチンが日本でもようやく12月から使用できるようになります(あくまでも現段階では予定です)。
インフルエンザ菌は皆さんがよく知っているインフルエンザワクチンでは防げません。
紛らわしい名前ですが、インフルエンザワクチンで防げるのはインフルエンザ・ウイルスによる症状で、インフルエンザ菌b型(細菌ですのでウイルスとは違います)には、専用のワクチンが必要なのです。間違えのないように関係者はHib(ヒブ)ワクチンと呼んでいます。
このワクチンは、生後3カ月から使い始める事ができるワクチンで、3種混合ワクチンと同じ日に行うことが可能です。
6カ月までに始める事ができたお子さんは初回4週間毎に3回と、概ね1年後に1回の計4回。
7カ月以降、1歳までに始める場合は初回2回と概ね1年後に1回。
1歳以降に始める場合は1回接種することになっており、5歳までが対象とされています。
ワクチンに伴う大きな副作用はありません。
このワクチンはまだ任意接種で行うワクチンとされておりますので、接種料金などは実施する各医療機関にお問い合わせください。
お金のかかるワクチンですが、ぜひ将来のあるあなたの大切なお子さんのために積極的にワクチンを接種してください。