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不整脈に気をつけて

内科2011/11/28

 急にドキドキしたり、何となく胸がおかしくなったりしたことはありませんか? こんな時、脈のリズムをチェックしてみてください。
規則正しく早いだけとか、何拍かに一度脈が飛ぶものであれば、あまり心配ないのですが、脈がまったくバラバラなものにはご注意ください。
心房細動(しんぼうさいどう)という不整脈かもしれません。
この心房細動は、心臓が一定のリズムを打たずに震えるような状態になるもので、心臓の中で血の塊(血栓)ができやすくなり、その結果、脳梗塞を引き起こすことで有名です。
あの巨人軍の長嶋茂雄さんが脳梗塞になったのもこの心房細動が原因でした。 心房細動は、発作的に繰り返す方と慢性的に続く方がいるのですが、どちらも同じ確率で脳梗塞を発症します。
具体的には、CHADS2スコアといって、C:心不全、H:高血圧、A:75歳以上の高齢、D:糖尿病、を各々1点、S:脳卒中を2点、として合計点を算出します。
2点で5年後の脳梗塞の発症率は約13%、3点では約25%にもなります。
治療について、以前は不整脈を抑え込もうとする治療が主体でした。
しかし、脳梗塞になる方は減りませんし、むしろ不整脈のお薬の副作用が起きたりしたため、現在では、2点以上の方は、まず脳梗塞~血栓を予防する治療を行い、脈が早くなりすぎないように抑えるのが主流です。 この脳梗塞の予防で有名な薬が、ワーファリンです。この薬はビタミンKと相性が悪いため、納豆・クロレラ・青汁(いずれもビタミンKの含有量が多い)を食べることが出来なくなります。
またこのお薬自体が食事や他の薬との相性の善し悪しがあるため、毎月採血で効果をチェックしなければいけません。
最近では、このワーファリンに代わる薬も出てきました。
プラザキサといって、食事や他の薬との変化がないため食事への注意がなく、他の薬との相性もあまり気にしないでよい薬です。 いまだ新薬なので2週間しか処方が出来ないこと、腎臓が悪いと使えないこと、非常に高価であることが難点です。 このように治療薬も進化しておりますのでしっかり治療をしましょうね。


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2011年11月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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