胆石症の治療~外科の立場から~
外科2011/11/21
胆石とは、胆汁が肝臓から十二指腸まで流れる道(胆道)にできた結石を言い、胆道の袋状臓器にできるのが胆嚢結石です。
胆嚢結石治療を外科の立場からご説明します。 胆嚢結石症の治療には、非手術治療として胆石溶解剤治療、体外衝撃波破砕療法がありますが、これらの治療では胆嚢が残るため、結石の再発が危惧され根本治療とは言えませんでした。
しかし、約20年前に日本に導入された腹腔鏡下胆嚢摘出手術は、手術治療ですが、身体への負担や、小さな傷で痛みも少なく、しかも短い治療期間で、結石が生成される胆嚢を摘出できる、まさに胆嚢結石の根本治療と言えます。
従って、胆嚢結石症治療は、第一選択である腹腔鏡下胆嚢摘出手術の適応があるかを判断する事から始めます。
また、無症状の胆嚢結石を有する方も、小結石多発例は、重篤な胆石による急性膵炎が発症する危険がありますので、腹腔鏡下胆嚢摘出手術の良い適応になっています。
Text by
函館渡辺病院 伊坂 直紀(
2011年11月21日 「みなみ風」掲載)