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金属床義歯について

歯科2011/11/09

 今回は金属床義歯についてお話ししたいと思います。
まず、総入れ歯を例にお話しを進めて行きたいと思います。
総入れ歯の場合、金属を使う部分は上顎の場合は天井部分(口蓋/こうがい)に、下顎の場合は内側の舌のさわる部分を金属にするのが一般的な設計です。
ここを金属にする利点としては①強度的に保険で作るレジン床(樹脂)義歯より優れているので薄くできる(保険の入れ歯の3分の1程度の薄さで作ることも可能です)。
そのため舌の運動に違和感をもったり、発音機能に障害を感じるような患者さんにとっては良好な結果が得られることもあります。②舌触りも良好で、金属特有の熱伝導性により熱い、冷たいなどの温度感覚に優れ、食事時の味覚にも良い影響がみられる。③レジンに比べ適合性が良好である。また、部分入れ歯を金属床義歯にすると④たわみ難いので残っている歯と歯茎に優しい。⑤症状や個人の希望に応じて自由な設計ができるなどが挙げられます。また最近では、部分入れ歯で金属床を使っている場合で、疾患により歯を失った場合でもレーザー溶接技術により修理することもできるようになりました。
一方金属床としての欠点もあるのも確かで①金合金を使った場合には、保険の義歯に比べ重量が大きくなることがある。
ただし、入れ歯としての適合が良ければ日常ほとんど気にならないものと思われます。②顎の骨が痩せて歯ぐきが変化した場合に裏打ちなどの修理が難しい。
ただし、最近では接着技術も飛躍的に向上したためレジンの追加修理もほとんどレジンの入れ歯と同様にできるようになってきました。③入れ歯を作るのに高い技術を要するため費用がかかり高価になる。最後に入れ歯のお手入れについてひと言。①流水下で入れ歯ブラシを使って清浄する。②必要に応じ入れ歯の洗浄剤を使う。③歯磨き粉は入れ歯を傷つけるため使用しない。④寝るときは基本的には外し水中保管をする。より長く入れ歯を使っていただくため上記のことを守り、定期的にかかりつけ医にチェックしてもらう必要があります。


Text by つしま歯科クリニック院長 對馬 哲郎( 2011年11月15日 「青いぽすと」掲載)

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