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欧米で増加する『下部食道腺(せん)ガン』

2008/08/13

 日本において最も多いと言われてきた胃がんは、近年発生率が低下しています。代わって増加しているのが、乳がん・大腸がん・肺がんです。これらのがんの特徴は、欧米に多かったがんが、少し遅れて日本でも増加してきたことです。

 最近、欧米で増加し、注目されているのが、胃に近い食道の下部にできる、『下部食道腺がん』です。

 がんにはいろいろな種類がありますが、消化器のがんは大きく分けると、扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんと腺がんの二つに分類されます。

 扁平上皮がんとは、皮膚や口腔・食道などを被う粘膜である扁平上皮組織から発生するがんであり、特に食道がんでは、日本人の約九割を占めると言われています。

 一方、腺がんは、胃がん・大腸がんに多く、食道がんには少ないと言われてきました。しかし、現在、欧米では食道がんの約半数を腺がんが占めると言われている程、増加しています。食道腺がんの特徴は、国際医学会では、白人・インテリ・高い生活水準の人が多いとされています。日本の生活様式の欧米化のため、下部食道腺がんは、今後日本でも増加する可能性があり、注意しなければなりません。

 では、どのような事に気をつけるとよいのでしょうか?

 食道腺がんは、逆流性食道炎の一部から発生してくるのではないかとも言われています。逆流性食道炎の症状である、胸焼け・げっぷ・食べ物のつかえ感・すっぱいものが上がってくる・声枯れ・長く続くのどの痛み・せき・胸痛などの症状がある方は、是非専門医による胃カメラ検査をお勧めします。

 現在、胸焼けを抑えるお薬(逆流性食道炎)で症状が改善している方も安心はできません。 他のがんと同様に、下部食道腺がんの早期発見・早期治療に勝るものはありません。

 最近では、胃カメラ検査も苦痛なく受けられるように技術が徐々に進歩してきています。定期的な胃カメラ検査こそが食道がんの早期発見につながります。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

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