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頸動脈エコー

循環器内科2011/10/04

 頸動脈はあまり聞きなれない言葉だと思います。
体に触ってトントンと動く動脈は手首のところの「橈骨動脈」を思い起こす人が多いことでしょう。
スイミングスクールでは首に手を当てて脈を測るように言うところもあります。
喉仏の斜め上横にトントン触れるのが頸動脈です。
この血管だけをわざわざエコーで検査するのが頸動脈エコーです。 何がわかるのか?
頸動脈は皮膚のすぐ下にあり、比較的長い部位を観察できる大血管なのです。
痛いこともなく、画像として血管の中を見ることができ、どれくらい細くなっているかをパーセント表示で見ることができます。
動脈壁の内側にニキビのような盛り上がりができて、中にコレステロールなどがたまっているものを粥腫(じゅくしゅ)と呼びます。
粥腫ができているならば全身のほかの動脈も動脈硬化しているだろうと予測されます。
こうして評価した動脈硬化が重症だと「心筋梗塞や脳卒中がおこりやすいほど動脈が細くなっている」と考えられます。 ですから、すでに病気を起こしている人ではなく、高血圧、糖尿病や脂質異常症などの患者さんで「動脈硬化がどれくらい進んでいるか」とか、「将来、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすいかどうか」を知りたいときに役立つ検査です。
体の中の一部の血管を観察しているだけですべての血管を見ているわけではありませんが、「全身の血管を代表して硬化度を見せてくれている」と考えてください。 悪玉のLDLコレステロールが高いために、これが血管壁の中にたまって粥腫ができている場合には、新しいやわらかい粥腫だとコレステロールを下げる薬で小さくすることができます。
狭窄が強い場合には血をサラサラにする抗血小板薬で脳梗塞を予防することもあります。
いちばん良いのはきれいな血管を見て、その後、動脈硬化を起こさないように注意することだと思います。
薬物治療ばかりではなく肥満、運動不足、禁煙など生活習慣の改善は非常に大事なことです。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨( 2011年10月14日 「青いぽすと」掲載)

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