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男性の性(23)

泌尿器科2011/09/22

 前回はマリー・アントワネットとルイ16世の悲劇の一因・遠因は、ルイ16世の包茎にあったのではないか?という話で終わりました。 包茎には真性包茎と仮性包茎がありますが、包皮を陰茎根部側に引っ張っても、包皮が翻転せず亀頭が露出しないものを真性包茎といいます。
通常、男児は生下時ほとんど全て包茎ですが、3歳までに90%が亀頭の露出が可能になり、残りの10%が真性包茎といえます。
4~5歳までに亀頭が露出しない場合は、副腎皮質ホルモンクリームを狭くなっている包皮に1日3~4回、6週間塗布することで約70~80%は亀頭の露出が可能になると報告されています。 仮性包茎は包皮が過剰で、非勃起時には亀頭の一部または全部が包皮に覆われていますが、勃起時や包皮を翻転すれば亀頭が露出するものをいいます。
米国製アダルトビデオではポルノ男優が皆、非勃起時でも亀頭が露出しており、日本の男優と比較して『ああ、米国人には包茎は少ないんだなあ』と、若い時に誤った人種的劣等感を持った人も多いかもしれませんが、実は米国では包茎手術は常に国内最多の外科手術であり、2005年の統計でも男児の61%が新生児期に包茎手術をしています。 その是非についても長い間多くの議論があり、米国小児科学会は新生児期の包茎手術を推奨しているわけではありませんが、その手術件数は増加傾向にあります(キャンベル&ウォルシュ泌尿器科学第9版3747頁)。 新生児期の包茎手術の利点としては、幼少児における尿路感染の危険を軽減できる、陰茎癌の頻度が低下する、思春期以降の性行為感染症の予防に役立つ、早漏の防止に効果がある、といわれていますが、逆に衛生状況が非常に良好な北欧諸国(おそらく日本も)では幼少児の尿路感染や陰茎癌が極めて少なく包茎とは無関係という意見もあります。
早漏についても、包皮小体(いわゆるカリの部分)にある性感帯を切除してしまうことにより、むしろEDが増加するという意見もあります。(続く)


Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士( 2011年10月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

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