在宅療養支援診療所
僕が医師になったころ、病院の隣に住んでいながら孤独死したご老人がいらっしゃいました。
なぜ亡くなってしまったのでしょうか。
認知症で受診することが分からなかったのか、どこかに痛みがあって動けなかったのか。
いずれにしても定期的にご高齢者をサポートするシステムが機能していなかったのは確かです。
このことは都会にあっても無医村地区と変わりがないことだと思うのです。
高齢化社会を迎え平成12年に介護保険制度がスタートし、介護保険と訪問診療を上手に組み合わせて利用することで、ご高齢の方が長期入院することなく、住み慣れたご自宅などでお暮しになることが可能となりました。
日本人の多くが住み慣れたご自宅の畳の上で亡くなりたいと希望されています。
医療が地域に積極的に出て行かなくては、これらの希望に対応できないと考え、20年前の開業当時から往診に力を入れてきました。
数年前医療保険で「在宅療養支援診療所」の制度が新制され、現在当院では在宅療養支援診療所として届けを出しております。
「在宅療養支援診療所」とはどんな診療所かご存じでしょうか?
通常の外来以外に寝たきり状態の方や癌などの疾患をご自宅で療養されることを希望される方、定期的な通院が困難な方など、患者様ごとの状態に応じて計画を作成して、24時間体制で訪問診療を行っている診療所です。
自宅で酸素療法、経管栄養(胃ろう、腸ろうなど)、気管切開の管理、緩和ケア(疼痛のコントロール)、中心静脈栄養管理、ターミナルケアなど希望される方へ対応させていただいております。
在宅担当看護師は、患者様やご家族様といつでも連絡がとれる体制で身体状況を確認させていただき、緊急時には医師と連携し24時間365日訪問診療をしております。
通院が困難な方や退院後に不安を抱えている方、また介護保険のことなど、どのようなことでもお気軽に当院にご相談ください。