歯並びを悪くする癖
赤ちゃんがおっぱいを吸う姿は、かわいいものです。
赤ちゃんでは、歯が無いことにも関係しておりますが、舌を丸めながら、突き出し、乳首を包むように飲んでいます。
しかし、大人の場合には水を飲むときには、一度口の中にためて、唇を閉じ、歯をかみ締めて舌と上あごの間を絞り込むように、のどまで運びます。
赤ちゃんの飲みかたは、弱い力でも可能ですが、大人のように飲むには、ある程度、口からのどにかけての筋力と調和した動きを習得しなければできません。
それだけ高度な機能ともいえます。
しかし、大人でも幼児のような、舌の使い方をする人も、たまに居ます。つばを飲み込むときに、上と下の前歯の間に、舌を挟んだり、タ行の音を出すときに、英語で言うTHの発音になってしまう方や、舌っ足らずといわれるようなしゃべり方をされる方には、このような可能性があります。
このような癖を持つ方の場合には、奥歯をかんでも、前歯が開いてしまう開咬(かいこう)と呼ばれる不正咬合(こうごう)が起きます。
●舌訓練法(タングトレーニング) 歯は、硬い骨の中から生えてきますが、最初から、位置が決まっているわけではありません。
口の中に出てから、舌やほっぺたなどの筋力の強さによって、その位置が決まってきます。
また、上の歯とぶつかることにより、その位置が安定して収まります。
つまようじや、パイプなどにより、位置変化を起こすことも良く見られることです。
変な癖が付いている場合には、舌の訓練をして、よりよい口の動きの調和を促す方法も良くとられます。
舌やほっぺたなどの弱そうな筋肉を反復練習して鍛えます。
こうすることにより発音が良くなったり、口から食べ物をこぼすことが少なくなったりしますし、前歯がかみ合わない開咬も直ってきます。